【財務用語解説シリーズ】 インターカンパニーローン

1. インターカンパニーローンとは?

インターカンパニーローンとは、一般的に一つの企業グループに属する会社間(親子会社間や兄弟会社間)の貸付のことを指します。

異なる国に所在する複数の現地法人がそれぞれ現地の銀行から借入れを行うと、当該現地法人の規模が大きくない場合、銀行が提示する条件(金利、金額、担保、保証条件等)が必ずしも良くないことがあります。

そこで、親会社がグループ全体の資金の過不足を把握し、必要な資金を銀行や資本市場から一括して好条件で調達し、資金不足のグループ会社に貸付を行うことにより、グループ全体として資金調達コストを削減することができます。

また、X国のグループ会社A社では余剰資金を保有しているが、Y国のグループ会社B社では設備資金や運転資金など資金調達が必要といった場合、A社からB社に貸付を行えば、グループ全体としてみれば外部に調達コストを支払わずに済みます。

この他、国によって法人税率や源泉税の取り扱いが異なることから、グループ全体の税務コストを削減する目的からインターカンパニーローンを活用する例もあります。

Inter-Company Loan インターカンパニーローン

2. インターカンパニーローン実施時の留意点

インターカンパニーローンを利用する場合、税務上の観点あるいは貸付会社と借入会社の所在国の規制の観点から幾つか注意すべきポイントがあります。

① 利息に関する源泉税

クロスボーダーでインターカンパニーローンを行うと一般的に利息を支払う側で源泉税が発生します。源泉税率は国によって異なりますし、当事者国間の租税条約に基づく軽減税率の適用の有無や外国税額控除による二重課税の回避策の有無によって最終的なキャッシュフローに違いが出ますので、関係国の税務上の取り扱いや租税条約についても確認する必要があります。

② アームス・レングス・ルールと移転価格

インターカンパニーローンによって発生するグループ会社間のローン金利がアームス・レングス・ルールに照らして公正な水準であるか、インターカンパニーローンにより実現したベネフィットが当事者間で適正に配分されているかについても確認しておく必要があります。

③ 過小資本税制(Thin Capitalization Rule)

子会社に対する貸付金の金額が当該子会社に対する出資持分対比過大である場合には、課税所得の計算上その借入金に係る支払利子の損金算入が認められなくなる場合がありますので、グループ会社所在国の税務上の取扱いを確認しておく必要があります。

④ 各国の規制

ローン当事者の所在国やローンの通貨、期間、金額などに関して規制がある国がありますので、この点についても確認が必要です。

 

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