DIC様導入事例

DIC様のロゴ

会社名: DIC株式会社 (旧社名:大日本インキ化学工業株式会社)
事業内容: 印刷インキ、有機顔料、合成樹脂等の製造・販売
関係会社: 174社(国内31社、海外143社)
ソリューション: キリバエンタープライズ

財務戦略強化のために
クラウド型財務管理ソリューションを選択

世界トップシェアのインキ、有機顔料のほか、合成樹脂、電子向け材料などを手がけるDICは、海外企業の買収などに伴い、資金効率の向上とリスク管理の強化が課題になっていた。その解決のために、同社が選んだのが、クラウド型財務管理ソリューション「キリバ・エンタープライズ」だ。

 

クラウド型財務管理システム導入目的と効果

 

スピードと将来変化にクラウドで対応

 DIC(ディーアイシー、旧大日本インキ化学工業)は、1908 年、印刷インキの製造と販売で創業した。以後、その基礎素材である有機顔料、合成樹脂の技術をベースに、幅広い製品を提供している。

 海外進出の歴史も古く、1919 年には中国に進出、現在、世界64 の国と地域に174 のグループ会社(うち、海外143 社※ 2015 年12 月末時点)を通じて事業を展開している。海外売上高比率は約60% に達しているという。DIC のグローバル展開において、大きな転機の一つが、米国大手化学メーカー、サンケミカルのグラフィックアーツ材料(インキ、顔料など)部門の買収成功であり、その後も積極的なM&Aにより海外事業の拡大を図ってきた。

 「当社にとって大きな財務課題の一つが、グループの資金効率向上による財務体質強化でした。また、海外事業比率の上昇により、為替管理など様々なリスク対応も行う必要がありました」とDIC 財務部長の古田修司氏は語る。

 古田氏によれば、以前は資金管理を表計算ソフトのスプレッドシートを使い手作業で行っていたという。財務部グローバル資金管理担当部長の堺公紀氏は「さらに、これらも残高がわかるのは月末時点のものだけで、月中にお金がどう動いているのか、本社から知ることができませんでした」と振り返る。

 古田氏は「資金効率向上のため余剰資金の圧縮を目的としたキャッシュプーリング(資金の自動的な集約・分配)などを活用していましたが、効率的な運用には資金の可視化を行う必要がありました」と語る。

 口座の預金情報の把握を行うにはいくつかの方法がある。古田氏は次のように話す。「これまでは、ERP(統合基幹業務システム)から毎月、会社ごとの預金残高を取得していましたが、それでは速報性がありません。銀行の端末から残高を取得することもできますが、口座数が多く煩雑です。そこで、ERP と直接接続したスタンドアローン型のTMS(財務管理システム)導入も検討しましたが、その実現は容易ではありませんでした」。

 大きな阻害要因はコストと時間だった。170 社を超えるグループ会社すべてにスタンドアローン型のTMS を導入しようとすれば億円規模の費用と、かなりの導入期間が必要だと思われた。「経営環境が刻々と変化している中で、スピードで劣るだけでなく、将来の変化にも対応できません」(古田氏)。

 そこで同社が選んだのが、キリバが提供するグローバル財務管理システム「キリバ・エンタープライズ」だ。米国をはじめ世界1300 社で導入実績があるほか、日本でも大手グローバル企業に採用されている。「キリバ・エンタープライズ」の大きな特長は、クラウドにより提供されることだ。インターネットに接続できればどこでも利用でき、拠点や子会社の増加、その他機能の追加などへの対応も簡単に行うことができる。スタンドアローン型TMS を導入するのに比べれば、コストは大幅に安く、導入プロセスも容易だ。

 堺氏は「2015 年の12 月に契約をして、16 年の4 月には第1 フェーズが完成しました。そこでのスピード感と中身の品質を見て、早期に第2 フェーズに進めると確信しました」と話す。

 

資金の可視化を実現し、子会社からのレポート集計業務の自動化を開始

 DIC ではまず、第1 フェーズとして、銀行口座の見える化に着手した。SWIFT(国際銀行間通信協会)を利用し、「キリバ・エンタープライズ」に異なる銀行の主要口座の情報を集約したのである。これにより、これらの間でのプーリングが可能になるとともに、主要決済口座の80% について、資金の可視化に目処が立った。「第2 フェーズでは、グローバルベースでの資金予測の自動化を行っていきたいと考えています」と堺氏は話す。

 銀行口座の可視化により、現在の資金の状況は把握できるが、明日、来週、来月の資金繰りといった資金予測はできない。同社ではグループ企業のERP と「キリバ・エンタープライズ」を連携させることにより、売掛金・買掛金、借入金などの債権・債務のデータを取り込み、資金予測の自動化に着手する。まさに、グローバルベースでのグループ流動性管理を目指しているわけだ。

 「キリバ・エンタープライズ」の導入により、早くも具体的な成果が生まれているという。「これまでのキャッシュプーリングの管理は、銀行の端末から数字を転記、又は各社から送られてくるスプレッドシートを手作業でまとめていましたが、それが不要になりました。『キリバ』は、スタッフの説明も丁寧でサポートも手厚く助かりました。これまで、スケジュール通りに導入できており、今後のフェーズも早期に実現できると考えています」(堺氏)。

 古田氏はさらに、「キリバ・エンタープライズ」を活用した、ガバナンスの強化を視野に入れている。「当社は2016 年2 月、今後3 年間の中期経営計画『DIC 108』を発表しました。ここでは、基本戦略の一つとして、3 年間で1500 億円の戦略的投資(M&Aなど)を掲げています。グローバルベースでの財務管理もますます重要になります。『キリバ』の活用により、本社主導のガバナンスも実現すると大いに期待しています」。

 

DIC 株式会社の導入事例の表紙

DIC 株式会社様  -成功事例-

財務体質強化およびグローバルベースでの資金効率向上と海外比率上昇に伴う各種リスクへの対応をするためにキリバを導入。資金の可視化を実現し、子会社からのレポート集計業務の自動化を開始している。

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『週刊東洋経済』2016 年12 月17 日号に掲載