為替管理プログラムのベンチマーク・ツール活用

10月 30, 2019
Angie Schuster

地政学的な不確実性の高まりに伴い、為替が企業の収益に与える影響も増大しています。キリバは、各四半期の業績発表後に「為替変動の影響レポート を発表し、為替差損の総額、企業収益に与える平均的な影響、最も大きな影響を受けた通貨、それ以外の有益なインサイトなど、為替変動が北米・欧州の企業に与えた影響を解説しています。

このレポートは、為替変動が多国籍企業に与える影響の分析にとどまらず、企業が自社の為替管理プログラムを評価する際のツールとしても活用できます。北米・欧州の企業1,200社が各四半期に被った影響を示すデータを見れば、自社が経験した為替の逆風やEPS(1株当たり純利益)への影響を、市場平均と比較することができます。

「キリバ為替変動の影響レポート」を、ベンチマーク・ツールとして活用する

世界中の多国籍企業、アナリスト、投資家が、「キリバ為替変動の影響レポート」をダウンロードしています。それぞれが、異なる目的でレポートを活用しています。

アナリストや投資家は、企業の平均的なパフォーマンスを把握し、企業が抱える為替リスクと対処法、為替変動が収益とEPSに与える影響について質問するために活用しています。

また、このレポートは、企業にとって効果的なベンチマーク・ツールとしても役立ちます。自社の為替管理プログラムを、業界平均と比較できるのです。

 データの評価

最新のレポートを見てみましょう。EPSへの平均的な影響、企業の平均為替差損(自社の本社所在地に応じて、北米または欧州いずれかを参照)、最も大きな影響を受けた通貨、 GDP・GDP成長率で重みづけした場合に最も変動性が高い通貨などを示すグラフを、自社の為替管理プログラムの評価に役立てることができます。

例えば、2019年第1四半期の北米企業のEPSへの平均的な影響(1社当たり)に目を向けると、0.05ドルと、業界標準である0.01ドルの5倍に達しています。0.05ドルという値自体は2018年第4四半期から変化はないものの、EPSへの影響は、2016年第2四半期以来最も大きくなっています。

貴社にとって、これは何を意味するのでしょうか。 貴社では、為替変動のEPSへの影響はどれくらいでしたか? 0.05ドルを上回っていますか?たとえこれより低くても、業界標準より高いですか?

平均為替差損についても同じことが言えます。2019年第1四半期、北米企業の平均為替差損は8800万ドル、欧州企業は2億7600万ドルでした。あなたの会社は、該当地域の平均と比べてどうですか? たとえ平均と同じ水準でも、それだけの為替差損を容認することはできますか?

行動方針の決定

先ほどの質問のいずれかに、「はい」と答えましたか。もしそうであるなら、次のステップとして、自社収益やEPSに影響をもたらした為替リスクを、軽減する方法を見つけましょう。

考えてみて下さい。貴社は、通貨バスケット全体を見通せていますか、それとも、最も取引が多い通貨だけを管理していますか? これは、多くの企業が犯しがちな過ちです。最も取引が多い通貨は、受ける影響も大きくなると思いこんでしまうのです。確かに、問題の通貨ペアを管理していなければ、そうなる場合もあります。しかしそれ以上に、取引が比較的少ない通貨の変動により、想定以上の影響が生じていることが多いのです。そのようになるのは、通貨のエクスポージャを企業が管理しておらず、為替管理プログラムがうまく機能していないためです。

その他、自社の為替管理プログラムはスプレッドシート方式か、それともストレートスループロセスで自動化されているか、最も高精度で完全なタイムリーなデータを使用しているか、ファントムバランス(*)が原因で、管理不能な為替差益/差損が発生していないか、などを検討する必要があります。

自社の為替管理プログラムを評価して弱点が判明したら、為替差損の背後にどんな要因があるかの理解が深まり、業界最高のテクノロジーの力を借りて、その課題の解決を試みることができます。

(*) 例えば海外子会社の帳簿上で、取引通貨建の残高はあるが、機能通貨建(=帳簿通貨建)の残高がない状態のこと。これは計上レートの誤り等の理由により発生し、本来必要のないヘッジ取引を誘発する場合がある。

まとめ

為替管理プログラムの定期的な評価は、自分の会社が他社と比べてどうか判断する上で重要であるだけでなく、自社の現在のプログラムの成果と欠点を分析・考察する機会でもあります。そうすることで、為替リスクと為替エクスポージャの管理を改善し、為替管理プログラム全体の質を高め、為替変動によりこれ以上想定外の影響を被ることを避けられます。

さらに、来期のEPS予測や収益目標に近い結果を出せれば、この会社は、為替変動の影響を把握し今後の見通しを立てているだけでなく、業績予想―投資家にとって重要な指標―も確実だとして、アナリストから高い信頼を得られるでしょう。

自社の取り組みを北米・欧州の他企業と比べたい方は、「2019年第1四半期キリバ為替変動の影響レポート」をダウンロードして下さい。

もう比較を済ませ、今度はどうすれば為替の逆風を避けられるか考えたい場合はキリバにお問合せ下さい。貴社の現在の為替管理プログラムを分析し、どうすれば為替エクスポージャと為替リスクをさらに軽減できるか、アドバイスさせて頂きます。

 

*本記事は2019年7月に掲載された翻訳版となります。オリジナル版はこちご参照ください。

 

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