支払い業務 -脚光を浴びることはないけれど、リスクも改善の余地も大きいプロセス-

7月 11, 2019
屋形 俊哉
■2019年6月18日付日経新聞朝刊の記事を目にして
 “海外送金、500万円に制限。ゆうちょ銀行、資金洗浄化対策を強化”(6月18日朝刊)
この記事は1面(東京版)で取り上げられていたので、目にした方も多いと思います。これは個人向けの取引の話かもしれませんが、今後、企業に対しても資金の流れに対する監視の目が従来以上に厳しくなることが予想され、万が一何かあったとき「知らなかった」では済まされず、事故防止のために経営者としてどんな手を打っているかが今後問われるのではないでしょうか。
そして、それは企業価値を守るためだけではなく、社員が知らない間に犯罪に巻き込まれるような業務処理をすることがないよう、「社員を守る」という観点からも必要な対策にもつながります。
10年以上前の話ですが、J-SOXにおけるIT統制のルールの社内への適用で、「今回の取組みの目的はIT部員が不正も誤処理もしていないことを証明することで、部下を信用しないが故の取組みではなく、部下を守るための取組みです」と、当時の前職でのお客様のIT部長の方が仰っていたのを思い出しました。
 
■支払い業務の改善の目的
 従来、企業が支払い業務の改善に取り組む目的は、効率化や誤処理の防止が主な目的でした。しかし、近年、グローバルビジネスの拡大にガバナンスの仕組みが追いつていないとか、サイバー犯罪が巧妙化しているなどの理由から、支払い業務に絡むリスクにどう対処するかが重要視されています。
 今年、日本CFO協会が主催し、キリバ・ジャパンが調査協力した日本企業へのアンケート結果にも3年前の調査と比べてその傾向が顕著に表れています(下図参照)。
 

※同アンケートのその他の質問項目の結果や解説等はこちらを参照して下さい。 

■2019年6月26日付日経新聞朝刊の記事でも
 “不正会計リスク発見、瞬時に。会計の未来、AIが変える監査”(6月26日朝刊)
これは帳簿の数字だけじゃない様々な企業のデータにアクセスして、AIを駆使して不正の兆候をとらえる取組みがすでに大手監査法人にて試行されているという内容でした。
より効果的な監査を実現するとともに、監査業務の効率を高めて監査の現場での人手不足に対処するという狙いもあるようです。
不正行為や不正の兆候の早期発見の仕組みは、心理的な抑止効果も期待でき、不正の発見だけでなく防止にも一定の効果はあると思います。しかし、故意にせよ過失にせよ、そもそも不正ができない仕組みがあれば不正の防止にはさらに効果的で、支払い業務においては有効なソリューションがすでに存在しています*。
 
*キリバの不正防止ソリューションに関連するブログ記事及びFact Sheetは下記リンクを参照して下さい
・Fact Sheet:支払い管理
・Fact Sheet:不正支払の検出
 
■軽く、早く、いつでも始められます
 今回は支払い業務のリスクを取り上げましたが、支払い業務の効率性という観点においても多くの企業が改善の余地を残していると思います。個々の現場に存在するムダは、それだけを見ると大きくないかもしれませんが、グループ全体で見るとかなり大きなムダがあるはずです。
 だからと言って、いきなりグループの支払い業務の集中化(いわゆる支払代行)にチャレンジする必要はありません。まずは支払い業務の最後の1ピースである銀行への送金プロセスの仕組みを1つのシステム(TMS)に集約させるところから始めればいいのです。
この1ピースを集約するだけで、支払い業務の現場の多くが手作業での煩雑な送金業務から解放され、不正や犯罪のリスクから会社と従業員を守る仕組みが強化されるのです。そして、グループ全体の支払い業務の標準化や集中化へと段階的に発展させながら、もうひとつのゴールであるグループ全体での支払い業務の効率化と精度向上を目指していけばいいのです。
 小さく始めて成功体験を積んでから、グループ全体に広げる。キリバにはその取り組みを「軽く、早く、いつでも始められる」ことを可能にするクラウドソリューションと、ビジネスゴールの実現をお手伝いするサービスと、それらを裏付ける実績があります。
 ぜひ、キリバにご一報ください。

屋形 俊哉 (Yakata Toshiya) 
キリバ・ジャパン株式会社 プリンシパル コンサルタント
 
大学を卒業後、大手電機メーカーの経理/財務部門で事業部門担当の経理(原価管理、予算管理、等)や
子会社への出向を経た後、本社でグループ会社向けの標準会計システムの開発や導入支援に携わる。
2000年にSAPジャパンに転職、以後15年半、会計プリセールスとして製造業を中心に数多くの日本企業への
ERP会計及び関連ソリューションの提案活動に従事。その後、しばらくIT業界から距離を置き、
2018年4月にキリバジャパンに入社、今度は経理ではなく財務部門の業務改革
(もっとシンプルに、もっと柔軟に、もっとワクワクしたものに)をお手伝いすべく活動を再開。