TMSの導入で最も高い価値を得る5つの方法

By Daniel Shaffer 2018年8月3日

トレジャリー・マネジメント・システム(以下、TMS)は、手動プロセスの自動化、不正支払リスクの軽減や運転資金を最適化するために財務部門に戦略的な機能の向上等、貴社の財務部門にとって数多くの顕著な改善をもたらしてくれることでしょう。しかし、貴社の財務部門や会社全体にこれらの利益をもたらす前に、まずは新しいシステムを導入する必要があります。

 

最近開催された Webセミナーの参加者に対し、TMS導入経験についてのアンケート調査を行いました。調査結果によりますと、TMSを導入した参加者の内、導入に完全に成功したのはたった16%しかいなかったのです。その一方で、約66%の参加者は「もっと良い」ベンダーを選定し、トレジャリーを導入できればよかったと回答しています。

 

ベンダーの選定とトレジャリーの導入の両方で均衡を保っていないとうまくいかなくなるのは、もはや明らかなことです。良い点は経験豊富なベンダーを選定すると、想定外のシナリオに対し、先の計画を立てるためにできるがことが多くあることです。以下はリスクを避けて、TMS を導入することで最も高い価値を得られる5つの方法についてご紹介しましょう。

 

1. 要件を最優先する

 

導入する際、プロジェクトの開始時に優先順位を定めることは極めて重要なことです。 強力なビジネスケースを展開することにより、重要な目標に集中でき、他の問題に逸れることはありません。プロジェクトの様々なフェーズを計画する時にも役立ち、不適切なTMS を選定するリスクを最小限にします。

 

追加の記事: 現代の財務担当者が重点を置くべき7つの競争上の優位性 (日本語版)

 

2. 完璧な作業指示書(Statement of Work、以下SOW)を作成する

 

SOWは、TMSベンダーと契約を署名する前に完成された文書で、関連する条件を含めて貴社の要望をリスト化し、着手するベンダーが提供する有効な約定書です。

 

SOWは、契約に署名された後完成される文書で、新しいシステムがどのように導入されるのか詳細を掘り下げたブループリント文書の基盤となります。ブループリントの内容が詳細である程、一旦導入が始まるとベンダーから質問する回数が減ってくるでしょう。

 

3. 必要に応じてプロジェクトに必要なリソース数を確認する

 

導入には、プロジェクトマネージャー、システム管理者やその分野の専門家など貴社側で関わる人数を指しています。特定のモジュールでトレーニングを受ける複数のパワーユーザーも必要となるでしょう。

 

貴社の導入が順調に進んでいる場合、適切な人材を適切なタイミングで配置されているか確認する必要があるため、リソースの割り振りは将来的には問題はないでしょう。これは、財務部門が他の業務にフォーカスする必要があることから、リソースの人事異動、今後の休暇や無給付期間を考慮していることを意味しています。

 

4. 正しい導入アプローチを選択する

 

ベンダーは貴社に代わって全てを導入することができますが、その一方で、ある会社では、自社で全てを導入することを望んでいる場合もあります。実際、ほとんどの財務担当者は、ハイブリッドモデルを選ぶ傾向にあります。例えば、ウェビナー受講者の6%が自分達で全てを導入したいと回答している一方、75%の受講者は、ベンダーが代わりに自社のパワーユーザーにトレーニングをして欲しいと回答しています。

 

多くの会社がコストを考慮した導入アプローチを選ぶ中、最良の選択肢としては、貴社がプロジェクトに対し、実際どれ位時間を費やすか確認してみることです。導入に積極的にアプローチする場合、多くの時間を考慮する必要があります。目安の一つとして、毎時間ベンダーがプロジェクトに時間を費やす度に、財務部門は3時間費やす必要があるのです。貴社の財務部門が、トレーニングセッション中に課題に取り組まなかった場合、主な業務は遅れが発生し、貴社は予想以上にベンダーに頼らなくてはならなくなるかもしれません。

 

5. 今日の作業を全て複製しようとしない

 

5つ目は、TMSを導入することがプロセスやワークフローの改善に大きな機会をもたらしてくれるということです。単に全てを自動化すると、新しいシステムから最大限の利益を享受できない場合もあります。既に開始されたプロセスが、財務部門に最も適しているのか、また、技術面での制約からこのような方法が設定されたのか、時間をかけて考えてみてはいかがでしょうか。逆に、全く順調に稼働しているプロセスについても確認してみる必要があります。これらの意思決定をする際、ベストプラクティスを理解するためにベンダーを頼りにできるということを忘れないでください。

 

結論として、完全なTMSは導入できるにも関わらず、ほとんどの財務担当者は、完全なTMSを導入した経験がありません。明確なTMS導入計画と現実的な予測により、手動での業務の自動化、内部統制の追加や不正支払の防止などの最新のソリューションの価値がセットで適用できるため、手動での業務の必要がなくなるのです。そして、財務部門は自社の会社の成長を加速させる運転資金管理プログラムの推進等、更に戦略的な機能へフォーカスできるようになるのです。

 

*本記事は2018年5月に掲載された翻訳版となります。オリジナルはこちらをご参照ください。

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