有事の今こそ考える不正対策に必要な業務環境

By 伊藤 康博 2021年3月23日

■はじめに
新型コロナウイルスの感染拡大により、我々を取巻くビジネス環境もワークスタイルも劇的に変化していることはご承知の通りかと思いますが、そのワークスタイルが一変した点としてはリモートワークが挙げられます。
ICT環境が整備されている企業を中心に推進されてますが、すべての企業、すべての部門にまで行き渡っていないというのが実態です。財務部門の皆様におかれましては、現状どうでしょうか?100%リモートワークは行えていますでしょうか?お客様の声や報道を見聞きする限り、諸々の理由で出社せざるを得ないようです。
例えば、オフィスにある特定の端末でしか銀行の口座残高管理や承認処理が行えなかったり、海外送金についてはシステム対応されていないため、送金依頼書を作成して捺印し銀行に持込む必要があることが出社の背景となっているようです。

一方、このような有事の状況下、財務の業務環境が不正リスクに晒されていることについての意識も高まっているようです。犯罪者集団によるサイバー攻撃が急増しているようですし、社内でも例外・緊急支払を偽装した不正支払が行われる可能性もあります。これら不正による資金流出の被害額は平時の状況下でも年々増加傾向でしたので、有事の今は一層注意を払う問題かと思います。

これら財務部門の業務環境は、リモートワークや不正対策が大きなテーマになっています。リモートワークについては、「もう待ったなし!BCP対策とワークスタイルの抜本的な見直しを!!」というタイトルで既にブログを掲載しておりますので、今回私からは「不正対策」という観点でキリバがどのようなご支援をできるかについて述べたいと思います。

■不正リスクに晒されている業務環境
財務・資金業務における不正行為や事故は、国内より海外子会社で発生するケースの方が多いようです。海外子会社では限られたスタッフで業務運営している、業務の標準化ができていない、システム対応が不十分といった理由により、結果現地任せになっていることが背景にあると思われます。

又、業務プロセスについても、口座残高や資金繰りの本社への報告頻度が限られていること、現地の支払承認プロセスが現地内でクローズされていることも不正や事故の要因かと思われます。このような業務環境では、現地スタッフと取引業者が結託することで不正な資金流出は可能になるでしょうし、発覚にはそれなりの時間を要するかもしれません。

又、現地スタッフは規定された手順に沿って業務遂行していたとしても、最新のテクノロジーを使った巧妙なサイバー攻撃に対して今後も手動チェックだけで対応するには限界があります。米国AFP(※Association of Financial Professionals)が売上高10億ドル以上の企業を対象にした2019年に実施した調査によると、直近18か月でサイバー攻撃を受けた企業(実際に支払した企業を含む)は実に90%に昇っており、CEO, CFOはサイバー攻撃を取組むべきリスクとして高い優先順位に位置付けています。

不正による損害額は数億~数十億円規模に昇る事例が散見されるため、看過できない問題と捉えていることが窺えます。
このように内部不正や外部不正に直面している業務環境下で、財務部門の皆様が今後も継続的且つ安全に業務遂行を行うためにはどのような仕組みが必要になるでしょうか?

■キリバによる不正対策ソリューション
キリバでは海外子会社を含むグループ全体の財務・資金管理ソリューションを提供しておりますが、不正対策という観点では、資金管理、照合機能、支払処理という3つの機能により不正支出の未然防止や異常値の早期発見が行えます。尚、お客様はこれらの機能を優先順位に応じて選択して導入することができるため、効果を体験しながら対象範囲や対象会社を段階的に広げていくアプローチが可能です。

【資金管理】
グループ全体で保有する銀行口座残高の可視化を行います。改竄できない銀行からの入出金明細を日々取込んで本社から随時モニタリングできるため、海外子会社に対する牽制効果を高めます。又、口座残高やキャッシュフローの増減表や口座残高の推移表により、異常な資金の動きを早期に把握することが可能です。

【照合機能】
銀行からの入出金明細と資金繰りの予測情報との照合により差異がある取引が特定されるため、不正有無を即時確認することが可能です。又、ERPや会計システムに転記された銀行勘定と入出金明細との照合も行えるため、帳簿の改竄取引や帳簿に転記されていない銀行取引の特定も即時把握することが可能です。

【支払処理】
グループ全体の支払処理を一元化しSTP(Straight Through Processing)を促進します。ERPや会計システムで生成した支払ファイルや支払依頼データはキリバに自動連携できるため、支払データの改竄機会を排除します。又、支払依頼データは不正検知ルールとのチェックにより、ルールに抵触した支払依頼を抽出し、不正が判明した支払を停止させることが可能です。
承認処理についても多段階設定が可能なため、海外子会社の支払処理に本社を加える柔軟な設定が行えます。承認後の支払依頼データは、各国・各銀行で求められる支払ファイルに自動変換され銀行へ転送されるため、支払プロセスの入口から出口まで改竄余地をなくす堅牢な支払環境を提供します。
 

■最後に
今回の新型コロナウイルスの感染拡大により、財務・資金業務のBCP対応度や内部統制の整備状況を認識する機会になっているかと思われます。この先コロナが終息しても異なる災害に見舞われる可能性がありますし、サイバー攻撃がさらに進化して会社の業績が脅かされるかもしれません。今後、皆様の財務業務が継続的且つ安全に遂行することができるよう、キリバがお力添えさせていただければと願っております。

関連資料:
【ファクトシート】ERPのクラウド移行時における支払業務の最適化

 


伊藤康博 (Ito Yasuhiro)
キリバ・ジャパン株式会社  シニア ソリューション エンジニア
一般事業会社の経理部門で営業/本社経理を5年間担当。その後、外資系ERPベンダーに転職し19年間会計領域を中心としたプリセールスを担当。2019年よりキリバ・ジャパンのプリセールス・チームに参画し、財務管理ソリューションの提案活動に従事

img
エンタープライズ
リクイディティ

流動性を活性化し、企業の成長と価値創造につなげます

詳細はこちら