不正確な資金予測があなたの足かせとなる4つのポイント

By Bob Stark 2016年6月15日

*本ブログは2015年10月の記事を日本語訳したものになります。

 

キリバは2014年に財務担当者に対して調査を行いました。もっとも驚いた結果のひとつに、回答者のうち、資金予測が正確だととらえている財務担当者は32%しかいないという事実があります。その理由はさまざまあって、ITをうまく使えていなかったり、予測に必要な元データが得られていなかったり、予測をたてるばかりで、定期的に予測結果のレビューをしていなかったりしていることが原因です。

 

正確な資金予測をたてようとしたときに、その仕組みづくりに投資する前に重要なことがあります。それは、効果的で役に立つ予測の投資効果、逆に言えば、役に立たない資金予測による影響を明確にすることです。

 

利息収入

 

資金予測の精度が低いということは、キャッシュを戦略的にさらに活かす手立てについて決定できないということを意味します。キャッシュリッチな企業の場合は、余剰資金は銀行の普通預金金利で寝かされていて、支払銀行手数料を穴埋めしている程度です。昨今の低金利環境下にあって、いやむしろ低金利環境下だからこそ、貴社の運用ポリシーの範囲内で、よりよい運用のオプションが複数あるはずです。

 

予測精度を高めると、どれだけの資金が眠っているかが明確になって、遊んでいる資金が減ります。その資金を負債の返済や投資・運用に回すことを考えれば、資金予測の仕組みづくりのROIが容易に計算できます。

 

借入コスト

 

ネットデットの企業の場合は、外部借入の割合を最適なものにするために予測は重要です。外部借入が必要なときは、より金利の安い調達源を見つけないといけません。そのためには、運転資金をやり繰りするのか、銀行の信用枠を活用するのか、長期の社債を発行するのかなど、最も安い調達方法を決めて、調整、交渉、実行するまでの時間が必要です。

 

資金予測が不正確ということは、その分余計に調達をしないといけないということです。調達額が増えるということは、支払金利もその分、増えます。また資金予測の精度がきわめて低いと、2,3日中に急に調達しなければならないことがあります。そのような時は、急であるがために、通常よりも割高の調達コストがかかります。

 

どちらにしても、借入コストが増えます。借りる必要のなかった借入の金利や手数料とその事務負荷、そして急に借り入れたことによる借入コストの割り増し分を計算することは容易でしょう。

 

為替のボラティリティ

 

外貨建てのエクスポージャーの予測が不十分だと、アンダーヘッジ状態になって、ヘッジされていないエクスポージャーが、通貨のボラティリティに翻弄されることになります。これは、2015年に米ドルが世界の他のほぼ全ての通貨に対して強くなっていったときの例で明らかです。予測が的確であれば、何が現在ヘッジされているかについて確信をもつことができます。結果、より効果的なヘッジを行うことができます。この改善効果は容易に測定できるでしょう。

 

オーバーヘッジもアンダーヘッジと同様に利益を毀損します。もし今期に実現しない収益にヘッジをかけてしまうと、その為替損益はそのまま今期の損益になってしまいます。このため、オーバーヘッジになることは通常稀で、むしろオーバーヘッジを恐れるあまりアンダーヘッジになっていることがよく見られます。結果、不要な財務コストを生んでいます。

 

しばしば見落とされているのが、海外の支出に米ドルを使うことです。資金予測が信用できない多くの企業は、外貨取引にかかるコストが“サプライズ”になっています。それは正しく見通せていないからです。外貨取引が“サプライズ”になるので結局、国内にある米ドルを海外への支払に用いることになります(ということはクロスボーダーの送金コストも発生します)。最適なシナリオは、オフショアの支出にはオフショアのキャッシュを使うことです。為替コスト、送金コスト、税負担、それらはこれによって最適化されます。これらのコスト効果については、国内のキャッシュを使うときよりもいくら節約できるか、容易に計算できるでしょう。

 

CFOからの信頼

 

公正を期していうならば、トレジャリーの効果や有効性、付加価値は、CFOや経営陣からはなかなか見えにくいものです。しかしながら、ご自身で仕事内容を評価したり、自らのキャリアパスを考えた時に、これらは容易に定量化できるのではないでしょうか。端的に言えば、トレジャリーがフリーキャッシュフローを増やすことに貢献できなければ、またはM&Aに必要な資金を予測できなければ、またはキャッシュフローヘッジの効果が極めて低かったならば、誰かがその責めを負わなければならないのです。

 

CFOには、信頼できるデータや情報がタイムリーに必要なのです。もしあなたのチームがそれをCFOに提供できないのであれば、CFOは誰かほかにできる人を探すのです。

 

要するに、

 

多くの財務部門(とその報告先であるCFO)は、資金やエクスポージャーの予測は、常に改善し続けていかねばならないものであることは、十分わかっています。しっかりした投資計画と、説得力のあるROIがあれば、資金予測業務に対する投資の承認をとることができます。その投資とは、ITと業務プロセス両方に対する投資であって、この二つがうまく組み合わさることによって、より信頼できる資金予測ができるようになるのです。

 

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