魅力ある財務部門

By 屋形 俊哉 2021年1月28日

■働き手の主体性と熱意を重視した企業の取組み

今年の元旦の日経新聞の特集記事(※1)に少し気になる統計が引用されていました。それはUSのLinkedin社が世界22か国3万人超の働き手に実施した意識調査で、人生の成功に必要な要素の1位から5位について日本と世界全体のそれぞれの調査結果を比較したものです。ともに1位は「一生懸命働くこと」でしたが、2位は日本が「幸運」で世界は「変化を喜んで許容すること」、3位以下は日本が「機会の均等」「汎用性のあるスキル」「変化を喜んで許容すること」で、世界は「人とのつながり」「機会の均等」「学歴」という順位でした。

記事の中では、これまでの日本企業で一般的だったメンバーシップ型雇用では、企業側が柔軟な人材戦略を組みやすいなどのメリットはありながらも、働き手の主体性が損なわれ熱意を失う人も少なくないという側面もあるという点が指摘され、それを裏付けるものとしてこの統計が引用されていました。そして、今後、日本企業がグローバルでの競争に勝ち抜くには高い意欲を持った専門人材の獲得が必須で、そのために働き手が主体性と熱意を持ちやすくするための取組みをしている企業の事例がいくつか紹介されていました。

※1 日経新聞電子版 2020年12月30 <展望 2021>やる気刺激「働きがい改革」

 

■高い意欲を持った財務の専門人材を惹きつける組織

この記事を読んで、もし自分が高い意欲を持った財務の専門人材だったら、どんな財務部門ならそこで仕事をしたいと思うか、給与や労働環境(今ならテレワークの導入は必須)は当然として、その他の要素として何を重視するかについて「財務部門のデジタル化」に絡めて考えてみました。

1) その会社/組織に自分が活躍できる場所があるか
その会社は財務戦略を重視しているか、財務という業務や組織を重要視しているか。
有価証券報告書や経営計画などの公表されている情報から一定の判断ができると思いますが、その財務部門でのデジタルソリューションの活用状況も判断材料のひとつといえます。
財務業務は会計とは異なり、デジタル投資に積極的でない企業が多い中、キリバのようなTMSに限らず、RPAへの取組みや銀行のソリューションなどを活用している財務部門は、財務業務の高度化の重要性を経営層が認知しているからこそと判断できるのではないでしょうか。

2)自分が大きく貢献できる可能性があるか
その会社、その組織に変革の土壌や変化を許容するマインドがあるか。
その組織のデジタル武装の程度に限らず、現状維持のままでは改善による一定の成果は期待できても、大きな貢献を実感するような成果をあげるのは難しいのではないでしょうか。
個人としての高いスキルやノウハウを活用し、他社で経験した財務の業務プロセスの良いところを取り入れる。そのためには変化を許容するマインドは必須です。そして、人事異動などで部門のメンバーが変わっても財務業務の高度化の取り組みを継続させるためには、変革の土壌の有無はとても重要と考えます。
デジタル投資も同様です。いくら優れたソリューションを導入しても、現場の意識や仕事の進め方を変えないと大きな成果は得ることはできません。

3)自分の市場価値を高めることができるか
その会社、その組織は人材の育成に力を入れているか。
昨年11月の日経ビジネスオンラインの記事(※2)に、「欧米では今の職場をキャリアのひとつだと割り切り、自分の成長を何よりも重視するため、教育に力を入れている組織でないと、いい人材を採用できない」という趣旨のコメントがありました。
また、その組織がデジタルソリューションを活用し、財務業務の高度化を実現しているか、という観点も、その組織の先進のプロセスやマネジメントの手法を身に着けることは、2)の「自分が大きく貢献できるか」では微妙かもしれませんが、自分の市場価値を高めるという点では惹きつけるものがあります。財務の先進事例として名の知れた会社であれば、その会社の財務部門での業務経験という事実だけでブランドになる可能性もあります。

※2 2020年11月13日 日経ビジネスオンライン連載記事 オリエント4「日本企業よ、人材育成にもっとお金と楽しさを」

 

■魅力ある先人たち

キリバのTMSを活用していただいているお客様の事例をセミナーや各種媒体で目にすると、それぞれのお客様に、これら3つのポイントの可能性を感じます。外部から見て「魅力のある財務部門」に見えます。

どのお客様もそこに至る道のりは容易なものではなかったはずですが、なぜ、そのお客様は変わろうと思ったのか、変わることが出来たのか、さらなる進化に向けた取組みを継続することができるのか。ベンダーとして製品やサービスを提案するだけでなく、そうした先人の取組みの表裏を、これから変わろうとしているお客様や、変わることを躊躇しているお客様に(可能な範囲で)共有できる場を提供し、上記にあげた3つのポイントの可能性を感じるような魅力のある財務部門をもっと増やしたいと考えています。

 

■Kyriba’s Success Stories

ヤンマーホールディングス様事例
資金効率を高めて支払い利息を圧縮 ファクトベースで戦略的な財務を推進

コニカミノルタ様
グローバル資金の一元管理がグループ全体の保有キャッシュ半減に大きく貢献

荏原製作所様
グローバル資金管理・財務管理の実現がビジネスを成長に導くドライバーにいま、財務情報の可視化がなぜ重要なのか

 

その他のお客様の成功事例は下記URLよりご覧いただけます。
https://www.kyriba.jp/resources/success-stories/

 

 


屋形 俊哉 (Yakata Toshiya)
キリバ・ジャパン株式会社 プリンシパル コンサルタント

大学を卒業後、大手電機メーカーの経理/財務部門で事業部門担当の経理(原価管理、予算管理、等)や子会社への出向を経た後、本社でグループ会社向けの標準会計システムの開発や導入支援に携わる。
2000年にSAPジャパンに転職、以後15年半、会計プリセールスとして製造業を中心に数多くの日本企業へのERP会計及び関連ソリューションの提案活動に従事。その後、しばらくIT業界から距離を置き、2018年4月にキリバジャパンに入社、今度は経理ではなく財務部門の業務改革(もっとシンプルに、もっと柔軟に、もっとワクワクしたものに)をお手伝いすべく活動を再開。
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