資金可視化を実現した後の「次のステップ」は?

By 伊藤 康博 2019年9月24日

■はじめに  TMSの導入を検討されている多くのお客様に共通する課題として、グローバルで保有する口座の残高を瞬時に把握できないというお話しをよく伺いますが、TMSの導入により資金の可視化を実現した後、財務業務の高度化に向けた次のステップとしてどの業務領域に展開するかについては企業ごとに様々です。今回のブログのテーマとして、私は財務取引管理、特に借入金管理について取り上げてみたいと思います。借入金管理は手動で対応するには業務負担が重く、ミスも発生し易い領域です。更に、グループ会社レベルでタイムリーに把握したいとなると、手動対応は言うまでもなく、単体の借入金管理ソリューションだけでも対応困難かと思われます。

このような借入金管理業務を取り巻く状況を踏まえ、キリバの借入金管理ソリューションを導入することでどのような課題が解決され、またどのような利益を享受することができるかについて考察してみたいと思います。

■借入金管理の業務課題

借入金は発生から償還に至るライフサイクルの中で、流動性管理、資金予測、償還処理、会計処理といった複数の業務と密接に関連します。流動性管理では資金残高に加えて借入残高や信用枠を加味して一体的に把握することが更なる資金効率の向上に必要でしょうし、資金予測では元本償還や利払い情報を適切に反映する必要があります。償還処理ではスケジュールに応じて元利の支払処理を行う場合がありますし、会計処理は発生・償還時のみならず、決算時を含めた会計イベントのタイミングで各種仕訳作成が必要となります。一本の借入金でもこれら様々な業務に関連するため、本数が増えれば増えるほど手動対応では管理が煩雑で業務負荷も高まっていきます。

また、借入金の発生後も償還スケジュールの前倒しや変動金利の変更等、元本・利息の再計算を伴う修正は非常に細かい作業となるためミスが発生する可能性があります。

更に、海外のグループ会社に借入金がある場合、本社側で残高や将来推移を適時把握することができず、月末や決算期に報告される現地通貨ベースの情報に基づいて本社側が換算処理および時価評価を行っている例もあります。このような海外のグループ会社では、本社を通さず現地で直接借入をしていることもあり、本社で借入交渉するより不利な条件で約定している可能性があるため、資金効率の点で改善の余地がありますし、ガバナンスの観点では不正リスクが存在する環境とも言えると思います。

借入金に関するレポート作成業務においても、借入金管理そのものがシステム化されていない、或いはシステム化されていてもシステムが分断化しているため情報収集に手間が掛かり、情報の即時性、正確性という点で課題があります。

財務部門の業務範囲が多岐に渡り、時間や人のリソースも限られた状況で、借入金業務をより効率的且つ正確に遂行するためには、どのような業務環境が必要でしょうか。

■キリバの借入金管理ソリューション

このような状況において、キリバの借入金管理ソリューションを利用することでより多くの課題を解決することができます。キリバは統合化された財務・資金管理ソリューションですので、借入金取引を入力することで関連する業務にシームレスに連携します。流動性ポジション表や資金繰り表への反映、元利償還の支払指図の生成、未収・未払の利息計算等の仕訳作成がすべて自動化されるため、業務効率が向上するだけでなく、情報の正確性が担保されます。

借入金の登録時には、ワークフロー機能により内容や金額に応じて柔軟に承認処理を行えるのでガバナンス強化が図られますし、契約書等の関連ドキュメントも添付することができるので情報の一元化が可能となり業務効率が向上します。

借入金情報としては、借入金額、期間、金利、信用枠等の一般情報に加えて、元本均等、元利均等といった償還パターンの柔軟な設定やシンジケートローンの管理も行えるため、多様な借入金管理ニーズに対応することが可能です。

グループ・グローバル管理という点においては、多通貨や営業日カレンダー等のグローバル機能を内包している一方、日本で求められる利息計算の要件である両端入れ・片端入れや長短振替の仕訳生成といった詳細なローカライズ機能も具備されておりますので、グループ共通基盤としてご利用いただくことが可能です。また、インターカンパニーローン機能により、グループ会社間の借入金および貸付金を一体管理できるので、入力漏れの防止にも効果があります。

このようにグループレベルで借入金情報が一元化されるため、レポーティング機能を活用して見たい情報を見たい切り口で瞬時に取得できますし、また、内包されるビジネスインテリジェンスの機能を活用することで、意思決定に必要な情報を様々な表やチャート形式で管理者層に提供することが可能です。

 

■最後に

今回は資金可視化を実現した後の次の施策の一つとして借入金管理ソリューションを取り上げさせていただきました。キリバ上で借入金管理を行うことにより、関連業務とのシームレスな連携、グローバルを含むグループ会社の統合的な管理が可能となるため、業務効率の向上、資金効率の向上、および内部統制の強化に効果があります。また、今回は借入金について言及してきましたが、その他の金融商品についても同様の管理が可能です。これら金融商品の管理を手動で対応することは業務効率が高まりませんし、オペレーショナルリスク、不正リスクが内在した業務環境となり経営にも悪影響を及ぼしかねません。財務業務の高度化に向けて、資金の可視化の次の施策の1つとしてご検討いただければ幸甚です。

 

伊藤康博 (Ito Yasuhiro)
キリバ・ジャパン株式会社  シニア ソリューション エンジニア
一般事業会社の経理部門で営業/本社経理を5年間担当。その後、外資系ERPベンダーに転職し19年間会計領域を中心としたプリセールスを担当。2019年よりキリバ・ジャパンのプリセールス・チームに参画し、財務管理ソリューションの提案活動に従事

 

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