LIBORからの移行は始めましたか? タイムリミットはすぐそこです

By Adam Bridgewater 2021年2月22日

何が起こっているのか?

金融機関は40年以上、約400兆ドル相当の貸出やデリバティブ商品の価格設定の参照金利として、LIBORなどの銀行間取引金利(IBOR)を使用してきました。2008年の金融危機を受けて、銀行の信用度は銀行間貸付市場に値付けされ始めました。これに加えて、2012年、複数の金融機関が、他の銀行や取引先に対し優位な立場に立つため金利を不正に操作していた事実が発覚しました。これを受けて、規制当局はLIBORからの移行を始め、市場全体でのLIBORの参照金利としての適切性が薄れました。規制当局は、金融機関に対し、2021年末までにLIBORの参照を停止し、リスク・フリー・レートと呼ばれる新たな代替金利に移行するよう圧力をかけています。

 

企業への影響は?

変動金利の借入や金利のリスクヘッジを行っている全ての企業は、LIBOR廃止の影響を受けます。財務部門は、LIBORに基づく企業ポートフォリオの既存債務やデリバティブ商品の移行だけでなく、新たな金利を用いて金融機関から新たな商品を締結しなければなりません。
規制当局は、企業に対し、金融機関と協力して既存の金融取引を刷新するよう求めています。なぜなら、速やかに対応しなければ、リスクが生じるからです。LIBORが一時的に使用できなくなった場合に備えて、今ある金融取引契約にはフォールバック条項が設けられています。しかし、長期的にフォールバックに頼ると、価値が変わる恐れがあります。 以前は相殺されていた商品に異なる金利が適用されたり、最後に通知された金利があるにもかかわらず、結果的に「固定金利」商品に転換されることもあります。こうした変更は、一部の当事者に利益をもたらし、その他には損失をもたらすという、契約当初の精神に沿うものではありません。今すぐ、貴社のLIBORベースの金融商品を調べ、移行計画を作成しましょう。

 

市場の移行状況は?

LIBOR廃止に備えて、LIBORを使用している世界の各地域は、代替となるリスク・フリー・レートを設定しました。その一例を紹介します。

  • 日本 – TORF (TIBOR/TONAも平行して使用)
  • 米国 – SOFR
  • EU – ESTR(EURIBORも平行して使用)
  • 英国 – SONIA
  • スイス – SARON

これらのリスク・フリー・レートは基本的に、現金、またはレポ取引に基づいた翌日物のみです。LIBORからリスク・フリー・レートに移行するためには、リスク・フリー・レートに基づく、1カ月、3カ月、または6カ月物等の金利(ターム物金利)を新たに構築する必要があります。翌日物自体は決まっていますが、ターム調整の算出方法はいまだに議論されています。 例えば米国では、SOFRのターム調整をめぐる議論が続いている一方、イングランド銀行とローン・マーケット・アソシエーション(LMA)は2020年9月に、新たな手法として「日次非累積型(daily non-cumulative)」を発表しました。
新たな計算方法への移行が金融システムに与える影響も、まだ完全には明らかになっていません。例えば、銀行や顧客は、変動金利の支払額を金利期間終了の数カ月前(期間の開始時点)ではなく、数日前にしか算出できないのではないかと予想されています。
2020年11月、米ドルLIBORの既存取引が2022年6月まで延長が認められました。2021年以降の新規取引は、延長の対象外です。主要銀行が金利の申告を止めた後、米LIBORがどのように設定されるのか、またルールがどう施行されるのか、市場もよく分かっていません。
不安を抱えた状態で廃止日が迫り、今年は銀行融資/社内調達のひっ迫が想定されるなかで、多くの企業が既に新たな金利への移行プロセスに着手しています。

 

キリバの対応は?

過去1年半の間、キリバの製品管理チームは各地域および各国のLIBOR移行ガイドラインを注視してきました。したがって、下記分野において、お客様に提供している機能拡張に優先的に取り組みました。

  • 既存の金融取引の新たなリスク・フリー・レートへの移行
  • リスク・フリー・レートに変更するための、会計処理の作成
  • リスク・フリー・レート市場の固定化と利回り曲線のインポート
  • リスク・フリー・レートに基づく支払額の算出
  • 支払金利の計算法を把握するためのツール
  • 新たな価額評価、見越し額、会計仕訳の算出

多くの機能拡張が既にリリースされており、市場ニーズの変化に合わせて、ロードマップの優先順位を定めています。

キリバはクラウド型プラットフォームを採用しているため、市場ニーズの変化に応じて頻繁に製品リリースを行っており、世界中のすべてのユーザーが同時にメリットを享受しています。キリバのこの柔軟性が、進化を続ける各国のリスク・フリー・レートのガイドラインに対応し、また、2020年に世界経済が直面した「未曽有の危機」から教訓を学び、お客様をサポートし続ける上で、鍵となるでしょう。

また、キリバでは「LIBOR廃止後の世界に備える」ためのEブックをご用意しております。ぜひ、ご活用ください。

img
エンタープライズ
リクイディティ

流動性を活性化し、企業の成長と価値創造につなげます

詳細はこちら