危機下のリスク管理と経営層の期待に応えるために

By Simon Shorthose 2022年5月12日

危機に際して、財務部門は、CEO、CFO、取締役会からの戦略的な疑問に答え、最終的に社内の嵐を鎮めるよう求められることがよくあります。不確実な時代にニュースやデータを評価しながら、方針転換のバランスを取るために、財務部門は事業の継続、流動性の活性化、グローバルサプライチェーンの混乱の最小化に焦点を当てなければなりません。

CEOやCFOは、取締役会や投資家から受ける会社の財務状態に関する質問に対して、迅速に回答しなければなりません。次の週まで十分な流動性があるのか?来月は?自分の流動性予測は信頼できるのか?不正による損失は発生していないか?サプライチェーンの混乱はどうすれば収まるのか?
 

CEO、CFO、取締役会が財務部門に期待すること

危機において、まずは従業員の安全や顧客が必要とするものを確保するなど、当然ながら「人」に重点が置かれます。これらの懸念に対処した後、経営層はビジネスに焦点を当て、正しいデータにアクセスできているか、十分な現金があるか、主な人的リスク何か、それにどう対応できるかなどを確認します。

CEOとCFOは、最終的に次の8つの主要なリスクに対して答えを出すことに注力しており、これらのリスクに対処し軽減することができるかどうかは、財務部門にかかっているのです。

1. 人的資源
2. 社内プロセスおよびツール
3. 不安定な流動性
4. 不正
5. 為替レートと金利
6. 負債とカウンターパーティ
7. 収益の変動性
8. サプライチェーンのリスク
 

危機における8つの重要リスクとその対処法

人的資源
財務に関して、CEO、CFO、取締役会の大きな関心事は、主要人員を失うリスクとそれに伴う能力の低下です。取締役会や投資家は、財務部門の社員が体調不良や入院、家族の看病をすることになったらどうするのか、と問いかけています。一時解雇や、リモートワークの際、社員は、日常業務のすべてを自宅で行うことができるのか?

今、自動化とテクノロジーの導入の重要性がこれまで以上に高まっています。SaaSベースのソリューションを使用することで、従業員はどこにいても必要なデータにアクセスし、日常業務を遂行することができます。また手動プロセスを自動化することで、重要な人的リスクを軽減するだけでなく、ミスを減らすことができます。
 

社内プロセスやツールのギャップ
企業が新しいプロセスや義務に適応していく過程で、事業継続の問題は必ず発生します。特に、手動プロセスやスプレッドシートに依存している場合、長期的な事業継続計画(BCP)は、時間とともにプロセスとシステムのギャップが現れ、ビジネスにとってますます危険な状態になる可能性があります。

事業継続への依存度が高まると、ギャップがある部分を悪化させる恐れがあります。しかし、自動化、事業継続、他のシステムとの拡張的な接続性をサポートするシステムへの投資は、これらのギャップを特定し埋めるだけでなく、災害復旧の促進、現金、流動性および財務エクスポージャーの可視化の強化に役立ちます。
 

不安定な流動性
経済危機の時には、企業はしばしば現金回収の遅れや不透明な収益に対処しなければなりません。顧客は、手元資金をバッファーとして確保して支払能力を維持するために、支払を遅らせたり、支払条件を再交渉したり、あるいは状況が安定するまで購買決定を先延ばしにしたりすることがあります。

では、企業はどのようにして流動性を安定させることができるのでしょうか。それは、流動性を予測し、上限を設定することです。シナリオに基づいた国際的な流動性予測は、企業が流動性のニーズをよりよく理解するのに役立ちます。さらに、顧客の支払が遅れたり、全く支払われなかったり、期待された収益が得られなかった場合にどうなるかを判断するためのストレステストを行い、取引先の限度額管理を自動化することで、流動性の不安定さを緩和することができます。
 

不正
危機のために通常のプロセスが中断された場合、特に、業務を継続するために承認プロセスが回避された場合、往々にして不正リスクが高まります。実際、2020年2~3月にかけて、フィッシングメールの報告件数が667%増加しました。これは、パンデミックによる世界的な混乱に乗じた詐欺師によるものです。BAU(ビジネス・アズ・ノーマル)プロセスの混乱は、詐欺師にとって理想的な条件を提供します。企業がスプレッドシートに依存している場合、財務だけでなく組織全社に対する財務不正のリスクが高まります。

管理体制を強化し、不正行為やサイバー犯罪に対抗する最もシンプルな方法は、決済ワークフローをデジタル化し、不正行為の防止と検出を自動化することです。これにより、社内の支払ポリシー、承認手順、限度額に準拠した決済管理が標準化され、承認された決済のみが実行されるようになります。また、リアルタイムの不正検知機能により、政府の制裁リスト、企業の支払ポリシー、過去のデータパターンに照合して支払をスクリーニングし、疑わしい支払やコンプライアンス違反の支払を自動的に隔離して脅威を評価します。
 

為替レートと金利
各国の財政状況や回復状況により、為替レートが大きく変動する可能性があります。ヘッジに偏りが生じたり、為替レートの変動により予期せぬ損失が発生したりする恐れもあります。さらに、予測が不正確な場合、ヘッジの焦点がキャッシュフローからバランスシートの保護に移行する可能性があります。

為替リスクを管理する最善の方法は、会社のすべての通貨エクスポージャーを把握することであり、そこからヘッジや内部エクスポージャーの排除によってエクスポージャーの軽減を図ることができます。また、為替が業績に与える影響を常に把握することは、為替エクスポージャーとリスクを費用効果的に管理し、会社の収益に不必要な影響を与えないためには欠かせません。
 

負債とカウンターパーティリスク
通常業務が中断された場合、一般的に負債やカウンターパーティリスクが高まります。負債が増加したり、その管理方法が変わったりして、予定外のコストが発生する可能性があります。カウンターパーティリスクに関しては、特定の地域の一部の銀行が倒産するリスクが高まり、経営陣や取締役会の間に懸念が生じる恐れもあります。

負債とカウンターパーティリスクを低減するためには、負債とカウンターパーティの限度額を管理する必要があります。企業は、責任を持ってレバレッジを高め、必要に応じて負債を借り換え、コベナンツの遵守を再確認し、すべてのカウンターパーティの取締役の法令遵守の限度を自動的に管理する能力を示す必要があります。
 

収益の変動性
収益の変動は、固定費構造に取り返しのつかない影響を与えることがあります。しかし、コスト構造に適応することで、事業を救うことができるのです。

収益の変動を管理するためには、コストを削減することが重要です。これは、銀行手数料を削減することで実現できます。企業は、銀行接続にかかる費用を最大80%削減することができ、人員をより良い目的に投入することが可能になります。さらに、現金の予測により、企業は収益を関連する売掛金に整合させることができ、不足分を補い、余剰分を集中させて、余剰現金からある程度の利回りを得ることができるようになります。
 

サプライチェーンのリスク
サプライチェーンのボトルネックやサプライヤーの倒産は、特に危機的状況にある際には、共通の懸念事項です。また、サプライヤーは、手元資金を追加し、支払能力を維持するために、早期の支払を要求することがあります。

このような場合、財務部門はサプライチェーンの代替案と運転資金の解決策を検討する必要があります。サプライチェーンファイナンスやダイナミックディスカウントなどの運転資金最適化プログラムを導入することで、企業はキャッシュコンバージョンサイクルやサプライキャッシュフローを削減し、内部または外部資金によるサプライヤーへの財務支援、優先バイヤーの地位獲得、代替サプライチェーン調達や多様化を支援することができます。
 

キリバが提供する4つのソリューション

現在の危機が早く収束することを願いつつも、財務部門は事業継続計画の実践、積極的な流動性戦略の実施、前述のリスク先制管理により、一時的あるいは長期的なシナリオに対する備えを向上させることができます。これらの分野で卓越した財務担当者は、経営陣をサポートするだけでなく、価値ある戦略的アドバイザーとして登場し、影響を与え、成功を導くためのさらなる機会を創出することができます。

キリバが提供するアクティブ リクイディティ ネットワークは、資金管理、リスク管理、支払、運転資金のための短期間で導入できるSaaS型のソリューションで、財務部門をサポートし、CEOやCFOが、会社の現金保有量、為替クスポージャー、サプライチェーンの混乱への対応や不正防止策などに関して、取締役会やアナリストに自信をもって答えられるようにします。

自動化による人間の行動によるリスクの軽減とコストの削減、危機管理のための独自のリスク管理サービス、クラス最高のビジネスインテリジェンスと事業継続性の保証により、財務部門は、常に危機を乗り越えるために必要なツールで武装することができるのです。
 
 

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