完璧な資金繰り予測

By Kyriba 2022年4月13日

CFO Publishingの調査、「3 Key Areas Where CFOs Say Treasurers Need to be More Strategic」によると、最も潜在的な財務問題の第1位としてCFOが懸念を抱いていることは、信頼できない資金の可視化と資金繰り予測であることが示されました。

どの企業も、より効率的な予測を求めていますが、効率的なプログラムを構築するために十分な人材、時間、テクノロジーを割り当てている企業はほとんどありません。重要な財務上の意思決定において、信頼できる正確な資金繰り予測の価値を理解することは、予測への正しい投資を行う上で非常に大切です。為替変動の影響を防ぐなど、予測が必要な理由は数多くありますが、CFOや財務担当者が正確な資金予測と最終的な財務パフォーマンスとの関係をさらに深めるために、取り組むべきいくつかの重要な領域が存在します。
 

資金繰り予測とは何でしょうか。資金予測を正確に行うことで、資金残高の予測をより確実なものにすることができます。長期投資、借入コストの削減、より効果的なヘッジプログラム、グローバルキャッシュの流動性の向上など、キャッシュポジションは、当日に加えて、多くの場合5営業日以内を対象としています。その目的は、日々の流動性を管理し、不足分を補い、余剰分を集中させて、余剰資金から一定の利回りを得ることにあります。

現金収支予算はFP&Aなどの財務部門によって作成され、1年以上を予算期間としています。ただし、フリーキャッシュフローのガイダンスを重視するあまり、間接的な予算ベースの予測と直接的なキャッシュフロー予測の調整は、四半期毎に管理されるようになってきています。

資金繰り予測は、通常、1週間から1年の範囲でキャッシュポジション(現金持高)を計算します。予測は、複数のデータソースを使用し、予測される現金残高の信頼性を高めることで、資金に関するより良い意思決定を下せるようにします。予測の価値は、より良い意思決定から生まれる価値によって決まります。
 

なぜ予測するのか。効果的でない資金繰り予測は、コストがかかり、株主価値に影響を及ぼします。不適切な予測プログラムは、多くの悪影響をもたらすため、効果的な資金繰り予測と最終的な財務実績との関連性を理解することが非常に重要です。「キャッシュリッチだ」、「金利が低すぎる」といった言い訳は、現金の投入や返還を要求する投資家たちを、もはや満足させることはできません。現金の予測や成長目標を達成するために必要なキャッシュの配分を適切に把握できなければ、CEOやCFOは、株主やアナリストの前で愚かに見られる危険性があります。

世界的な通貨の変動は収まる気配がなく、CFOは、海外からの資金の流出入による価値を維持するよう圧力を受け続けています。企業は、予期せぬヘッジされていない為替の影響によって、一株当たり利益が減少したり、バーゼルIII後の環境では、キャッシュフローを維持(もしくは増加)することが困難となる可能性があります。

資金繰り予測を通じて、営業活動によるキャッシュと営業活動外のキャッシュを時間軸で区分し、より長期的な投資戦略にキャッシュを配分するために必要な精度を提供します。これにより、以前実現した投資収益率を維持したり、不要になった現金残高を銀行から回収し、別の用途に配分することができます。

予測される現金預金残高の確実性は、CFOが、コーポレートアクションや戦略的投資を予想し、それに備える能力を高めることにつながります。たとえば、現金収支の予測に確信が持てなければ、CFOや財務担当者は、現金、負債、資本の構成要素に関するガイダンスを提供するなど、M&Aの重要な意思決定に貢献することができません。

グローバルにキャッシュを保有している場合、自社株買いや増配は困難です。多くの場合、CFOは資金を本国へ送金するよりも、国内で現金を借りた方が安上がりだと考えますが、この分析には、予測される現金残高の確実性が必要です。事業価値を最適化するためには、予測の信頼性が重要です。CFOは、オーガニック成長目標の達成に向けて、現金を再投資する方法を決定するために、効果的な資金繰り予測を必要とします。予測に確信が持てなければ、不必要な借入や株式による資金調達につながります。
 

データの統合 – 正しい情報を見つけ、それを連結予測システムに統合するための最も効率的な(すなわち、自動化された)方法を決定することが重要です。

自動化は重要ですが、データの品質も成功には欠かせない要素です。予測を作成する際、各項目はさまざまな方法で入手することができます。情報源によって、項目別に予測を作成する上で最適な方法が決まります。たとえば、多くの財務チームは、買掛金データをERPから直接インポートすることを好みますが、売掛金に関しては、線形回帰を用いて過去のデータやモデルを外挿することを望むかもしれません。財務チームが効果的に機能するためには、すべての方法が完全に自動化され、システムの安全が保証され、予測を作成するための初期設定、メンテナンス、日々の実行が容易に行え、かつユーザーが(再プログラミングすることなく)保守できることが重要です。
 

コラボレーション – 予測を立てるために最適なデータを決定するためには、その重要な情報にスムーズにアクセスするために、誰とコラボレーションするのかを決めることも重要です。多くの場合、財務部門はそのデータを提供するシステム担当者や業務担当者に対して直接管理する権限を持っていません。しかし、財務部門は包括的な予測を作成するために、この外部の情報に依存しているため、質の高い情報をタイムリーに受け取るためには、社内での高いコミュニケーションスキルが重要になります。買掛金担当、FP&A、IT、地域のコントローラはすべて、組織ごとに予測を作成しています。多くの財務チームは、CFOと一緒にトップダウンのコラボレーションモデルを計画し、効果的な資金繰り予測をチームの目標や報酬に組み込んでいます。これにより、予測の目的に注目が集まり、各チームがそれぞれの役割を果たすための動機付けとなります。
 

測定 – 最も重要でありながら、見落とされがちなステップは、予測精度の測定です。差異の原因を特定するために詳細なレベルで予測精度を測定するプロセスを導入することは、品質を向上させ、最終的に予測の差異を減らすために重要です。同様に重要なのは、特定された差異に基づき予測データが改善されるよう、システムと人へのフィードバックループを実施することです。フィードバックループは、財務担当者以外が予測に貢献している場合に特に重要で、正しい行動と資金繰り予測の数値が積極的に強化される一方で、改善の機会が十分に伝えられるようにします。これは、フィードバックが財務チーム以外の人のKPIや四半期の目標に沿ったものである場合に特に効果的です。
 

成功の鍵 – 予測差異分析は、複数の「スナップショット(その時点のデータ)」を取って詳細に行う必要があります。もしサマリー(例:3カ月間の予測がどれだけ効果的であったか)しかレビューされない場合、その時間枠の中に隠されている変動を把握できません。毎日、毎週、あるいは隔週で測定することで、見過ごされてしまうような予測値と実績値の浮き沈みが明らかになります。幸い、キリバのようなTMSのBI(ビジネスインテリジェンス)機能は、このレベルの詳細な情報を提供するために必要なデータの視覚化と分析を行えます。資金繰り予測は、非運用現金預金の割合が高い「キャッシュリッチ」な企業にとっては特に重要です。海外からの収益が多い多国籍企業は、効果的なヘッジを行い、株主に確実な現金予測を提供するために、より良い予測行う必要があります。予測で重要なのは、予測データのさまざまな流れをモデル化するための多くの選択肢を持てるような柔軟性です。効果的な予測を作成するために、インポート、回帰、外挿、またはその他の計算方法が必要かどうかは、データの精度によって決まります。

予測精度を測定しなければ、予測に長けているかどうかを知ることはできません。データの可視化により、カテゴリー別、期間別、地域別など、重要な差異に焦点を当て、将来の予測のために改善すべきデータを切り分けることができます。資金繰り予測の投資対効果は非常に高いです。

要約すると、予測の価値は、組織が追加の現金で何ができるかに左右されるということです。現金の価値は、現金に対するリターンが高い長期投資、負債の返済、サプライヤーへの早期支払による利回り獲得、新しい組織プロジェクトへの投資などで測ることができます。資金繰り予測を完璧にすることは、運転資金から現金を解放し、これらの価値の高い用途に向けることを意味します。
 

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