財務業務において一番の問題は「見えないリスク」

By 下村 真輝 2020年7月6日

新型コロナウイルスの影響で通常通りの財務業務が出来ていない状況においては、通常利用している銀行システムや会計システム等に本社も子会社もアクセスすることすらままならず、グループの資金・流動性のポジションがどうなっているのかどうなっていくのかを把握するのが非常に難しい状況にあります。実際にそういう問題を抱えている企業の声を聴きました。

加えて、既に影響が出始めてはいますが、今後の世界経済及び企業経営への影響が不透明で図り知れない中、財務部門は資金効率を高め企業経営の生命線であるキャッシュフローの健全性を保つことが必須となります。

この難局を乗り越えるためにも、これまで以上にグループの資金繰りの予測精度を上げ、運転資金を最適化して事業のために使える資金を生み出していくことが不可欠です。

 

■可視化が出来ていない、見えていないということは、エビデンスのない仮説に等しい

一方で、財務の業務は会計の業務と違って、将来を扱う仕事です。今この瞬間のリアルな情報とこれから先の予測情報が重要です。財務は会計と違って確固たるルールまたは拠って立つ規範があるわけではなく、常に仮説に基づいて最適解を考え、その妥当性の担保が必要な分野です。例えば、手元にいくら資金があって、そこからいくら支払があり、いくら入金があるのかを、本社だけではなくグループ会社も含めて常に最新の情報にアップデートしておく必要があります。

当然のごとく、予測は最新のデータに基づいて予測する方が精度は高まります。従って、何をするにも判断材料となるデータを集積する為の「可視化」が重要です。

言い換えれば、可視化が出来ていない、見えていないということは、エビデンスのない仮説に基づいて業務を行っていることに等しいと言えます。前月末時点のグループの現預金残高イコール100%使える資金ではないように、実際に自由に使える手元資金の最新状況が把握できなければ、経営層はタイムリーな経営判断はできません。

即時性、網羅性、正確性のあるデータに基づいて、資金状況が正確かつタイムリーに把握できなければ、多くの問題が生じます。資金需要に対して使える資金が分からず、ムダな金利支払いによる経常収支が悪化、グループ資金の点在によって投資・運用機会を損失する、環境の急激な変化に対して必要な資金が確保できず資金ショートを起こしてしまいます、本社に目が行き届き難い子会社の保有資金増加に伴い不正を発生するリスクを抱えてしまう、などが挙げられます。断片的で過去の古いデータしか見えないことは非常に大きなリスクになります。

 

■Withコロナの時代、業務環境が如何なる変化に晒されようとも常にグローバルの財務情報を瞬時に把握できる仕組み作りが必要

上述のような問題を事前に防ぐためにも、今回の新型コロナウイルスの影響で上記のような見えないリスクの体験を通じて、多くの企業が改めて財務業務の改革の必要性を感じたと考えます。

事実、クラウド型財務管理システムを販売する弊社の営業活動においては、対面形式のリアルのセミナーが出来なくなり、オンラインセミナーに切り替え、セミナー参加者の減少を予想していましたが、実際には従来の1.5倍もの参加者が増えており、これは足元で実際に問題を感じて財務業務の改革に取り組みたいと考える企業が増えたからだと評価します。

財務業務の改革は、可視化を起点として財務機能の集約化、内製化、標準化、自動化をすることだと考えますが、それに加えてこれからの時代に特に求められるのは、グローバル/リアルタイム/レジリエンスのエッセンスで、スコープをグローバルにスピードやサイクルをリアルタイムに、そして有事にも対応できる耐久性のある業務にすることが、重要になります。

 

■財務業務の高度化にはソリューションは不可欠

グローバル、リアルタイム、レジリエンスな財務業務の高度化に実現には、トレジャリーマネジメントシステムが不可欠です。

従来のエクセル・手作業では労力・時間・精度の面で非現実的です。ERPではグローバルで統一したインスタンスとするのには莫大な費用と時間がかかり更に非現実的です。各銀行の提供するソリューションや例えば借入管理専用のシステムなどをパッチワーク的に導入すれば費用は安く済むこともあるかもしれませんが、逆に様々なシステムが乱立し業務が複雑となり効率は悪くなり、なによりもデータが一元管理されず見えないリスクは残ります。

弊社が提供する100%SaaSのクラウド型トレジャリーマネジメントシステムは、そういった問題を解決できます。一つのシステムで様々な財務業務に対応した機能をモジュール毎に提供し、財務業務に必要なデータは一元管理されます。Webに接続できる環境があれば世界中どこからでも業務が継続でき、有事の際も自宅からでも可能です。

グループ共通の財務業務のプラットフォームとすることで、システムに合わせてグループ標準の財務業務プロセスを構築することができ、有事の際に、子会社の代わりに本社が業務を代行することも可能です。様々な銀行、様々なERP/会計システムと自動連携が可能なため、エクセル・Eメールのバケツリレーを行うことなく、財務業務に必要な常に最新で網羅性の正確なデータに容易にアクセスでき、意思決定を支援でき、見えないリスクを回避することができます。

2019年の日本CFO協会の調査では、様々な財務課題を解決していく上で必要な経営資源とした人材が91.4%で1位に続いて、2位にIT・情報化が76.1%でした。2016年の前回調査から25%も上昇しました。国際競争を勝ち抜くためにグローバル化をリードするトレジャラーをサポートするトレジャリーマネジメントシステムの存在が欠かせない経営資源となっています。今回の有事を変革のチャンスとして、今の時代にあったトレジャリーマネジメントシステムの活用によるグローバル/リアルタイム/レジリエンスな財務業務の高度化の実現に取り組んで頂きたいと考えます。

 


下村 真輝 (Maki Shimomura)

トレジャリー・アドバイザリー、ディレクター

一橋大学卒、MBA(ボンド大学大学院)。三菱重工業株式会社にて原子力事業の海外営業およびM&A等事業開発業務を経て、株式会社三菱東京UFJ銀行にて海外で事業展開している日系大企業や、クロスボーダーでのM&A、PMI案件に対し、グローバルベースの財務戦略、組織再編、海外投資手法等のアドバイザリー業務に従事。株式会社JVCケンウッドにて、CFO補佐として、グローバル財務管理の基盤構築を手掛けた。

 

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