グループ財務管理の高度化プロジェクトのグループ会社への説明はどうするべきか?

By 下村 真輝 2019年10月11日

グループ資金の可視化をする、キャッシュプーリングを導入する、グループの支払業務をSTP(Straight Through Processing)化する、マルチラテラルネッティングを導入する等々、TMSのソリューションをグループ会社に展開してグループの財務管理の高度化を実現するには、取組み内容によってグループ会社の協力・関与が必要となりことがあります。 ここ最近、グループ会社への説明をどうしたら良いのか?というお問合せを受けることが多いこともあり、今回はそのようなプロジェクトを行うにあたってグループ会社への説明をどうしたらいいかという点について言及してみたいと思います。

■グループ会社に説明すべきこと

 

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    • まず大原則として、グループ全体最適化という大方針へ同意してもらう。その為に文書化及び現地での説明会を実施する。よくあるのは、本社が決めた方針をメールで通達やグループ内のポータルサイトに掲示だけに留まっていることがよくありますが、発信だけでなく着信させることが重要ですので、骨の折れることではありますが、フェーストゥーフェースでの説明を国内外問わず実施することはマストだと思います。

 

    • グループ会社においてはそのトップのリーダーシップが鍵となるため、トップの協力を取り付ける。必要に応じて、トップの業績評価指標に例えば、資金の可視化の進捗度を組み込むことも検討の余地あり。

 

    • 正論や原則を一方的に押し付けるだけでなく、グループ会社側の懸念事項について正面から対応する。現地で不可避な規制や銀行取引などローカル固有の事情が存在することも認識し、場合によっては例外を受け入れることも重要だが、その場合は例外を受け入れるにあたっての判断基準は事前に設けておくこと必要がある。

 

    • 想定問答を準備し、子会社への依頼ドキュメントに添付し、説明会でも説明する。具体的には、子会社の作業負担、コスト負担、財務・経営面での独立性の維持が主な懸念事項となる。

■例えばグループの資金を可視化するプロジェクトにおいて

 

以下は、上記を前提とした上での、銀行口座の可視化に取り組むことのグループ会社のメリットに関しての例です。

 

    1.   子会社の本社への銀行口座残高報告が省略されることでの業務負荷軽減が可能になる 

 

    1. 加えて、子会社はその保有する全口座の残高・入出金明細を、個別に銀行に照会することなくキリバの画面上もしくはEメールで受信が可能なため、子会社単体においても日次で資金ポジションを確認することができ、資金管理強化に繋がる。(実際、KyribaのTMSを本社よりもグループ会社単体で先に導入しているケースも多く、子会社単体の資金管理においてもKyribaは有効です) 

 

    1. また、上記2の結果、グループ会社の管理者(特に日本から派遣されている管理者)は、グループ会社単体の口座残高・入出金の状況をローカル人材を経由することなく直接把握が可能なため、現地での内部統制強化を実現することが出来る。 

 

 

可視化に限らず、グループ会社の協力・関与を求める場合には、グループの全体最適という観点でのメリットだけを訴求するのではなく、グループ会社単体におけるメリットも提示することがキーとなります。

 

■プロジェクト実施に際してグループ会社へ伝えるべきこと

 

    • CFOのメッセージ(グループ財務戦略について等)

 

    • (CFOのメッセージを踏まえて)本社財務部門も考えるグループ財務管理のビジョン
        •  現状(As-is)と目指すべき姿(To-be)。トレジャリーポリシーの説明も含めて

       

        • 何故、そのシステム/仕組みが必要なのか?

       

        • 全体のメリットとグループ会社にとってのメリット

       

        • プロジェクトのロードマップ
            • 例)1stステップ可視化→2nd資金繰り→3rdステップ支払業務STP化

           

            • 国・地域別・会社別の展開スケジュール等

           

       

        • グループ会社への協力依頼事項
            • 現状保有銀行口座及び不要口座の棚卸し、取引銀行へのMT940/942送信の申込み、各社ERPとKyribaとの連携作業、現在のオペレーションからの変更依頼 等

           

           

       

■最後に

 

ここまで書いてきたことは、あくまでも筆者の過去の経験等に基づくものではあります。会社によって事情は異なりますので、決してベストプラクティスというものは存在しないかもしれませんが、ご参考になればと思います。

 

キリバ・ジャパンではグループ会社への説明資料の作成支援や現地での説明等、日本企業がグループ財務管理を高度化することで得られるバリューの実現をサポートしておりますので、お気軽にご相談下さい。

 

 

 

下村 真輝 (Maki Shimomura)

 

トレジャリー・アドバイザリー、ディレクター

 

一橋大学卒、MBA(ボンド大学大学院)。三菱重工業株式会社にて原子力事業の海外営業およびM&A等事業開発業務を経て、株式会社三菱東京UFJ銀行にて海外で事業展開している日系大企業や、クロスボーダーでのM&A、PMI案件に対し、グローバルベースの財務戦略、組織再編、海外投資手法等のアドバイザリー業務に従事。株式会社JVCケンウッドにて、CFO補佐として、グローバル財務管理の基盤構築を手掛けた。

 

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