キリバを用いた為替リスク管理のベスト・プラクティス

By 白鳥 利幸 2019年8月20日

米国金融政策の変更が世界市場に与える影響 米国は先月末(2019年7月末)、これまで長期間にわたり引き上げ続けてきた政策金利を約10年ぶりに引き下げることを決定しました。これに伴い、米国内だけでなく世界中の各国における金融市場や為替市場が大きな影響を受け、不確実性が増加することで、これからさらに為替の変動率が高まることが予想されます。したがって、グローバルに展開する企業は為替の変動に対するより一層の備えをしておく必要があると考えます。

 

    • 為替リスク管理の巧拙が企業価値を左右する

 

為替リスク管理は本質的に、企業が為替相場の変動から発生するリスクにどう対処するのかという考え方そのものであると言えます。例えば、「為替リスクの把握はするがヘッジはしない」というのも一つの考え方であるし、「為替リスクを把握した上で完全にヘッジする」というのも同様に一つの考え方であります。

 

理屈の上では、為替リスクをヘッジする場合とヘッジしない場合で将来利益の期待値そのものは基本的には不変ですが、為替リスクをヘッジしていないと、為替相場の変動により当期利益に予想外の悪影響が発生する可能性があるため、特に為替変動の影響を受けやすい企業ほど、リスクを好まない投資家からの投資を受けにくくなるはずです。

 

したがって、為替リスクをヘッジする企業の方が資金調達が容易になり、結果的に企業価値が高まることが予想されます。 

 

    • テクノロジーの進歩により為替リスク管理に必要な手間とコストは劇的に減少した

 

為替リスクをヘッジした方が企業価値が高まるのであれば、どの会社でも為替リスクをヘッジするのが合理的な判断であるはずですが、従来は企業グループ全体で適切な為替リスク管理を行うためには非常に多くの人手と取引コストを必要としたため、為替リスク管理に本腰を入れて取り組む会社は比較的少数にとどまっていました。

 

ところが、今は最新のテクノロジーを用いることにより少ない手間で企業グループ全体の為替リスクを一元的に管理し、適切にヘッジすることが可能となりました。今回はその一例として、企業向けの為替リスク管理ソリューションとしては世界中で最も実績のあるキリバの為替リスク管理ソリューションをご紹介します。

 

    • キリバの為替リスク管理ソリューション
キリバの為替リスク管理ソリューションは、データ収集からデータ分析、ヘッジ実行、取引管理まで、為替リスク管理の主要な4つのプロセスを包括的に管理し、自動化・効率化することが可能です。それではそれぞれのプロセスでキリバの為替リスク管理ソリューションを用いることで何ができるのかを見ていきましょう。

    • データ収集

 

為替リスク管理の主要な4つのプロセスのうち、一番最初はデータ収集です。

 

為替リスク管理を行うためには、まずヘッジ対象となる為替エクスポージャーのデータを収集し、把握する必要があります。

 

為替リスクのヘッジは主にキャッシュフロー・ヘッジとバランスシート・ヘッジに大別できますが、キャッシュフロー・ヘッジの場合は外貨建ての取引とそれに伴う入出金予定、バランスシートヘッジの場合は外貨建ての貨幣性資産および負債を対象とします。キリバでは、SAPやOracleといった主要なERPベンダーに認定されたデータ抽出用のアダプターを提供しており、これを用いることでERP側のインターフェース開発を必要とせず、非常に短期間でERPとのデータ連携の実装が可能となります。

 

    • データ分析
為替リスク管理の2番目のプロセスはデータ分析です。

 

為替エクスポージャーの状況を会社別・通貨別等で集計・把握することで、ヘッジ金額を検討することが可能となります。

 

キリバでは、ビジネス・インテリジェンス機能を用いて為替エクスポージャのデータを視覚的に把握することで、ヘッジ対象となる為替エクスポージャの状況をより直感的かつ迅速に理解することが可能です。またキリバでは、ヘッジ対象となる為替エクスポージャーのデータと共に、既に締結済みのヘッジ取引、さらにはヘッジ率などのヘッジポリシーを加味して、締結すべきヘッジ取引を自動的に提案することが可能です。これにより、担当者の勘や経験に依存しない、効率的な為替リスク管理が可能となります。

 

    • ヘッジ実行
為替リスク管理の3番目のプロセスはヘッジ実行です。
従来、ヘッジ取引は銀行に電話をかけて約定締結していましたが、最近はインターネットで複数の銀行の提示レートを比較して為替取引を行える「マルチバンク取引プラットフォーム」が普及し始めています。キリバではFXallや360T、FXGOなどの主要な取引プラットフォームとシームレスに双方向のデータ連携を行うことができるため、システムから自動提案されたヘッジ取引を取引プラットフォームに連携し、最も有利なレートでヘッジ取引を自動的に締結することが可能です。これにより、従来は非常に手間のかかっていた為替取引の締結プロセスを格段に効率化することが可能となります。

 

    • 取引管理

 

為替リスク管理の最後のプロセスは取引管理です。

 

マルチバンク取引プラットフォームで締結された為替予約などのヘッジ取引はキリバに自動で連携され、台帳管理されます。

 

従来の電話によるヘッジ取引が残っている場合でも、画面からの登録やデータのアップロードにも対応しています。

 

またキリバでは台帳管理だけでなく、市場レートを用いた時価評価や、バリュー・アット・リスク分析やシナリオ分析といった、保有ポジションのリスク分析も可能です。さらに、IFRS等の会計基準に対応したヘッジ会計や仕訳生成の仕組みを提供しています。

 

 

    • まとめ

 

 

グローバルで金融・経済の動きが激しく、不確実性が増加する昨今、企業価値を守るために適切な為替リスク管理を行う必要性はますます高まっています。テクノロジーの進歩により、従来は実現が困難だった、企業グループ全体の為替エクスポージャーをタイムリーに把握し、適切なヘッジを自動的・効率的に実行するための仕組みを、企業は容易に利用することができるようになりました。

 

キリバの為替リスク管理ソリューションは、データ収集からデータ分析、ヘッジ実行、取引管理まで、為替リスク管理の主要な4つのプロセスを包括的に管理し、自動化・効率化することで、グローバル企業の為替リスク管理を飛躍的に効率化し、高度化することが可能となります。

 

白鳥 利幸 (Shiratori Toshiyuki)

 

キリバ・ジャパン株式会社 ソリューション コンサルタント

 

事業法人向けトレジャリー・マネジメント・システムのソリューション・コンサルティングを20年以上経験し、数多くの講演活動や提案活動に携わる。2016年よりクラウド型のTMSで成長著しいキリバにて、財務業務の高度化を通じて日本企業の国際競争力強化の一翼を担うべく活躍中。

 

関連ページ:

 

【Webページ】財務のリスク管理

 

【ファクトシート】Risk Management

 

【ブログ】エンドツーエンドの為替リスク管理が、為替変動への対応を変える (Wolfgang Koester)

 

【オンラインセミナー】財務業務高度化への1stステップセミナー

 

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