SAP S/4HANAへのトランスフォーメーションを成功させるには

By Kyriba 2020年8月29日

SAP S/4HANAは、SAPの大企業向け次世代エンタープライズ・リソース・プラニング(ERP)システムです。現在SAPのビジネススイートを使用している多くの企業が、全社的なデジタルトランスフォーメーションの一環として、新たなソリューションへのアップグレードに関心を向けています。

S/4HANAはデジタルコアとして、財務、マーケティング、製造、調達、営業といった社内の主な業務部門を結びつけます。SAPエコシステムにつながるだけでなく、他のクラウドベースシステムにも接続できます。S/4HANAは、人工知能、機械学習、IoT(モノのインターネット)などのインテリジェントな技術を活用してオペレーションを自動化し、データ、デバイス、人をリアルタイムでつなぎます。

S/4HANAは、いくつかの方法でデジタルトランスフォーメーションを実現します。組織の全体的なコストを削減し、ビジネスイノベーションを加速させ、トランスフォーメーション・プロジェクトを支援し、IT予算を新技術への投資に充当できます。とはいえ、S/4HANAを支持する説得力あるビジネスケースがある一方で、企業はしばしば、このプラットフォームのどんな機能が必要か、いつどんな方法で移行すべきか.見きわめるのに苦労しています。

なぜ今、移行するのか?

キリバの後援を受けSAPインサイダーが先日開催したウェビナーで、Promantus社のディレクター兼欧州担当ヘッドのVikash Roy Chowdhuryは、デジタルトランスフォーメーションは勢いを増す一方であり、そのためにS/4HANAは「必要不可欠」だと説きました。さらに彼は、S/4HANAは組織のデジタルトランスフォーメーション戦略を最適化し、「アイデンティティ、可視性、イノベーションをもたらす」と付け加えました。

次のように、企業が今すぐS/4HANAへの移行を始めるべき理由は沢山あります。

  1. デジタル経済を利用して、新たな製品やソリューションをよりスピーディに市場に投入する
    デジタルトランスフォーメーションが加速を続けるなか、ビジネスプロセスがさらに自動化し、新たなデータフローが生まれます。企業は、一層優れたインサイトを入手し、意思決定を改善し、ビジネスイノベーションを推進できるでしょう。
  2. デジタルトランスフォーメーションで後れを取らない
    SAPは2027年まで、同社のオンプレミスERPシステムであるERPセントラルコンポーネント(ECC)への標準的なサポートを続けます。これは一見すると、S/4HANAへの移行を否定する根拠に思えますが、引退が決まっているプラットフォームを使い続けることには、リスクが伴います。ひとつのリスクとして、技術支出による投資効果が低下するでしょう。S/4HANAの最新機能を使ってより効率的にビジネスを運営するライバル企業に、出し抜かれるリスクもあります。
  3. コストを節減する
    ますます多くの企業が、トランスフォーメーションを支えるリソースの確保に向けて競争を繰り広げるため、S/4HANAの実装および移行にかかるコストが大幅に増加するでしょう。

ERPトランスフォーメーションの課題

S/4HANAへの移行が、企業に大きな課題を提起することもあります。通常、最大の課題はデータに関する問題を解決することです。それ以外の課題として、要件を満たすリソースの不足、レガシーシステムの統合、カスタムコードの修正、特に機能変更を伴う場合、S/4HANAがプロセスに与える影響の把握などがあげられます。

S/4HANA移行に関連して、トレジャリーには独自のニーズがあります。トレジャリーは、銀行接続やS/4HANAインフラ内でのグローバル銀行との統合を求めます。また、定例作業にかかる労力を減らし、新型コロナウイルスのパンデミックを乗り切るための支援といった戦略的業務に専念できるよよう、タイムツーバリュー(企業が移行のメリットを得られるまでの時間)の短縮も望んでいます。

残念ながら、銀行接続はS/4HANA移行プロジェクト――それどころか、他のあらゆるERPプロジェクト――の中で最も困難な側面のひとつです。銀行接続の実現までに、何カ月、時には何年もかかることもあります。キリバの支払担当ディレクター、Steven Otwellはこう指摘します。「銀行を待つせいで、ERPプロジェクトを稼働できない……そんな事態が何度も起きています」

こうした理由からキリバは、トレジャリーの視点からS/4HANA移行をサポートするため、Promantusと戦略的に連携しています。

トレジャリーへの支援

幸い、自動化を通じて移行プロセスを簡単にできます。Promantusは、ProAccという総合的なS/4HANA移行ツールを開発しました。このツールは、アセスメント、プリコンバージョン、ポストコンバージョン、検証を含む全ての移行フェーズを、短時間でシームレスに自動化します。

ProAccは、現状に基づき、最適化に向けたカスタマイズ提案や別のシナリオを含む詳細なアセスメントを行います。また、要件定義から本番稼働までの移行プロセス全体を完全に可視化する、シングルビューのダッシュボードも提供します。さらに、予測、モニタリング、データスナップショット、データの整合性、設定確認、照合といった一連の自動処理を保管する単一のリポジトリの役割も果たします。

移行のスピードは、組織の業務要件・技術要件、現在のSAP環境、データの質と量などに左右されます。

S/4HANA移行のサポートにProAccを使用する企業には、次のようなメリットがあります。

  • 安全で費用効果の高い、スピーディな実装
  • 基幹業務プロセスの中断を最低限に
  • カスタムメイドのアプローチ
  • 連続自動化プロセス
  • 総合的なサポート

Promantusのクライアントエンゲージメント担当バイスプレジデントであるJohnny Daugaardは、次のように語りました。「当社とキリバは、できる限り短時間で最低限のコストで最高の価値を実現することに、全精力を注いでいます」

キリバは、以下のようなサービスベースのソリューションを提供しています。

  • コネクティビティ・アズ・ア・サービス(CaaS)
    SAPに追加された銀行接続機能により、数千の銀行と接続し、80%以上の時間短縮を実現できます。キリバは、プラグ・アンド・プレイでERPと接続できる、550以上の設定済、検証済の銀行ソリューションを備えています。またクライアントの代わりに銀行接続を24時間監視し、FTP、ホスト間、地域別プロトコル、SWIFTなど様々な形で接続を管理しています。キリバは世界最大のコーポレートサービスビューロとして、SWIFTの法人事業の20%以上を管理しています。キリバに完全にアウトソーシングできるため、企業は銀行接続をサポートとするため社内スタッフを採用する必要がなく、間接経費を節減できます。
  • カスタイマイズされた不正支払管理
    このソリューションは検出ルールを使用しており、機械学習を併用して、SAPシステムから銀行へのデータフローから異常値を検出します。こうした異常値が、不正支払かもしれません。
  • 支払フォーマット・ライブラリ
    キリバのライブラリには、事前に開発され銀行の検証を受けた45,000種類以上の支払フォーマットが保管されており、これを全てのクライアントと共有しています。そのため企業は、S/4HANAプラットフォーム用に独自に支払フォーマットを作成する手間を省けます。特に、数多くの銀行と取引がある場合、支払フォーマット作成は複雑で費用と時間がかかる作業になります。キリバは単に、企業のERPから1件の支払ファイルを取り込み、それを解釈して、各銀行が承認するフォーマット要件に合わせて変換します。
  • グローバルな銀行監視
    受け渡しする全てのファイルを監視し、ファイルが処理されたか確認するIT部門の負担を軽くします。社内の銀行取引サポート機能を、実質的に完全にキリバにアウトソーシングできます。

結論 

企業は今、新型コロナウイルスがもたらす様々な課題に迅速に対応しなければなりません。デジタルトランスフォーメーションは、企業の現在の生き残り、および今後の成功の鍵を握ります――多くの大企業の場合、S/4HANAへの移行がこのトランスフォーメーションを支えるでしょう。トレジャリー部門とIT部門は、この移行に密接に関わり、貴重なリソースを浪費せず目的を達成できるソリューションを慎重に検討する必要があります。

 

*本記事は8月5日にグローバルサイトで掲載したものの翻訳版となります。オリジナルはこちらをご覧ください。

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