2022年のCFOのトレンド – トップ5

By Bob Stark, Global Head of Strategy, Kyriba 2022年3月28日

近年、私たちは多くの教訓を得ました。あるものは明るく楽観的で、またあるものは過去に置き去りにした方が良い経験でしたが、これからを前向きに考える上で、参考になることがたくさんあります。金融とテクノロジーの分野では、未来を成功に導くために必要な多くのトレンドが生まれました。
 

1. デジタル通貨
暗号通貨はこの1年、主流の代替資産として登場し始め、Tesla、Square、Microstrategyなどの著名な組織が、価値の貯蔵や成長の源としてビットコインの探求を続けています。フィデリティ・デジタル・アセットの調査(英語)によると、現在33%の投資家がデジタル通貨に投資しており、この中にはファイナンシャル・アドバイザーと並んでヘッジファンドや年金基金も含まれています。企業がデジタル通貨をバランスシート上に保有することについては、ほとんど傍観者的である一方、デジタル通貨による支払いを受け入れるeコマース小売業者の数は増加しています。

2022年には、オンライン取引の決済手段として暗号通貨の受け入れが進むだけでなく、暗号通貨を保有するリスクを軽減するための流動性やヘッジオプションが成熟し、法定通貨への交換が簡素化されるでしょう。

2022年度中には、米国やその他の西側諸国の政府が中央銀行デジタル通貨(CDBC)を展開することはないでしょう。しかし、中国が経済全般にわたるデジタル人民元の大規模な試験運用を続けているため、G20各国政府は多方面にわたるCDBCプログラムの進展に意欲的です。
 

2. 市場リスクの管理
2021年は、CFOにとって、サプライチェーンの混乱とインフレという2つの新たなリスクを考慮する必要がありました。この2つのリスク要因は、コロナウィルスによるところが大きいのですが、多くのエコノミストは、世界経済の好調と失業率の低下が真の原動力であると主張するでしょう。なぜなら、人々が稼ぐようになり、労働需要が促進され、必然的に商品やサービスを市場に投入するためのコストが高くなったからです。

2022年には、一過性のインフレと持続的なインフレの真の姿が明らかになり、中央銀行や政府がより効率的に成長を管理するために必要なデータを提供することになります。多くの人が金利上昇を歓迎しないでしょうが、金利上昇や為替変動に対するバランスシートや1株当たり利益(EPS)の脆弱性を理解しているCFOは、将来の利益とキャッシュフローのガイダンスに対する期待を適切に設定できるようになるでしょう。

2022年に金利が上昇することは避けられませんが、それに打ち勝つためには、金利変動に備え、金利や通貨の変動がもたらす影響を緩和できるかどうかにかかっています。
 

3. 流動性計画
キャッシュは王様(ビジネスや投資ポートフォリオを分析する際に使われる表現で、財務体質の健全性におけるキャッシュフローの重要性を説いたもの)であり、現在または将来においてキャッシュを生み出す能力は、投資家が投資選択を評価する際の主要な推進力となります。IDCが間もなく発表する企業流動性調査では、デジタル化と財務の変革のベストプラクティスを実証しているリーダーの80%までが、戦略的資産としての流動性管理をしっかりと把握し、可視性、統制、プロセスを最適化して、同業他社よりも効率的に現金を生み出していることが論証されています。

これは、企業の成長と株主価値を支えるキャッシュフローが引き続き重要であることを指摘しています。また、流動性の確保は戦略的要件であるという考え方も強調されています。この考え方は、包括的な流動性計画シナリオに対するCEOや取締役会の要求が高まっていることと一致している。

パンデミックの最中、CFOは 「何日生き延びられるか」といったKPIを求められていました。先進的な企業は、改善された流動性に関する知見の価値を認識し、さらにビジネスの促進や利益増大に利用できる発見を追求し続けました。運転資金、借入効率、現金流動、企業流動性管理の改善を促す経営指標を増やし、株主価値創造に向けたキャッシュフローを増加したのです。

その結果、2022年の流動性計画(可視性、コントロール、知見、企業行動)は、流動性パフォーマンスを評価することが主流になるように進化していくことでしょう。
 

4. AI
AI(人工知能)は、ほとんどの財務組織ではまだ初期段階であり、企業向けテクノロジーに認知アルゴリズムや機械学習アルゴリズムを採用しているCFOは少数派です。利用事例は限られており、ほとんどの実装は売掛金の予測や異常な支払いの発見といったスポット的なタスクに集中しています。

これらの機能は、特にCFO配下の財務およびFP&A(ファイナンシャルプランニング&アナリシス)チームが、流動性予測の有効性を改善したり、決済詐欺に対する脆弱性を軽減したりすることを求められる時に価値を発揮しますが、本来、AIが提供するものは、タスクオートメーションの追加フローだけではありません。

2022年、CFOに求められる次のレベルのインテリジェンスは、他のアプリケーションやテクノロジーと組み合わせて、意思決定と行動に対する判断をAIに頼ることです。この進歩により、ERP、財務、プランニング、決済プラットフォームは、記録のためのシステム(SoR: System of Records)やエンゲージメントのためのシステム(SoE: System of Engagement)から、インサイトとインテリジェンスを提供する最新のプラットフォームへと刷新されます。AIによって、CFOとCIOは、プラットフォームとして相互に接続されたツールを提供でき、財務チームが収益効率と価値を向上させるための活動を特定し、推奨することができるようになります。
 

5. Data as a Service(DaaS:サービスとしてのデータ)
データは組織が持つ最も価値ある資産です。AIやビジネスインテリジェンス(BI)を活用する機会が増えていくことで、データは企業の意思決定をより効果的に行うための原動力となります。

CIOが、データサイエンティストを自分のチームで採用したり、組織全体で同人材を配置したりすることが増えています。データサイエンスは、顧客の満足度を高める方法から、営業収益を向上させるためのサプライヤーファイナンスプログラムの効果測定まで、財務プロセスから新しい情報を引き出します。

CFOにとっては、企業の流動性を測定するだけでなく、流動性の価値や、成長を促進するために効率的に活用するためのKPIを構築することが重要です。これには、運転資金に充当する現金残高の削減策や、支払代行、マルチラテラルネッティング、社内銀行などの複雑な流動性構造によってもたらされる金銭的な利益を示すKPIが含まれます。

2022年には、データレイク、データウェアハウス、データプール、データストリーミング、APIネットワークに代表されるDaaSの存在感が増し、効果的なデータの一元化が実践されるようになるでしょう。間違いなく、CFOがデータを主流に活用し、データに基づく意思決定がこれまで以上の価値を引き出せるようになります。
 

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