危機を生き抜く方法: 財務担当者の考察

By Dory Malouf 2020年3月28日

財務担当者の皆さん、皆さんは今再び、CFOのかけがえのない財産になっています。危機と変動の時代に、皆さんの役割が企業にとって一層貴重で重要なものとなっています。こんな経験は初めてではありません。9.11同時多発テロ、2003年の北米大停電、2008年の金融危機でも、皆さんは対応し学習することができました。

今こそ、当時の経験を振り返り、それを目の前のリスクに生かすときです。ありがたいことに、当社ではいずれの場面でも、試練の時期に優れたシステムが導入され、十分に検証され現実的な事業継続計画が実施されていました。つまり、どのシナリオでも最大限の自信をもって、決定を実行することができました。

9.11同時多発テロ: 祈り、不安、予期せぬ経済的打撃

2001年9月11日、私は真っ先に失われた命に思いを馳せました。けれど同時に、これから起きる事態への不安に襲われました。即座に経済的打撃を受けたため、数日間、数時間どころか、わずか数分のうちに財務判断を下す必要がありました。恐怖に震えて身を寄せ合い、テレビに映し出される光景を注視しながらも、私たちにはなすべき仕事がありました。2機目の飛行機が世界貿易センターのサウスタワーに衝突してから30分足らずの、午前9時半の時点で、当社の財務部門は気をとりなおし、大急ぎで投資残高を集中口座に戻し、融資限度額いっぱいまで借り入れました。銀行の取り付け騒ぎが全面的な金融危機に発展する可能性を踏まえて、当面事業を続けるために、できる限り多くの資金を手元に確保したかったのです。

スピーディな判断が求められる場面で、優れたトレジャリー システムを導入していたことが鍵になりました。このシステムでは、ワンクリックで、キャッシュポジションのポートフォリオと与信枠がわかる流動性レポートを作成できました。また、社内の全ての資金を集める作業に追われる間も、システムが日中キャッシュポジションの更新、照合、転記を自動的に行ってくれました。適切なソリューションのおかげで、今後数日を見据えてデータの整合性とタイムリーなレポーティングを確保でき、短期的にも長期的にも、自信をもって財務判断を実行できました。

2003年北米大停電: 事業継続計画を実証

2003年8月14日(木)午後4時10分(東部標準時)、米国北東部とカナダで大規模な停電が発生しました。幸い、その時間には資金繰り予測は終了しており、CFOへの日次レポートをまとめているところでした。一部の地域では14日間停電が続きましたが、 当社のオフィスを含め、ほとんどの地域は翌週月曜には電力が復旧しました。とはいえ、発生当初は、いつまで続くのか見当もつきませんでした。

午後4時15分(東部標準時)――停電発生のわずか5分後には、この停電が、カナダの一部を含む複数の州にまたがるものだと報じられました。当社の事業継続計画を発動する時が来ました。 そこに書かれている通り、翌営業日以降の計画を立て始めました。問題は、オフィスで電気が使えないことでした。当然、電話もつながりません。携帯電話では大量の通話に対応できない場合もあった2003年当時、このことが現在以上に大きな問題になりました(9.11当日も同じ問題に直面しました)。

ここでも、優れたトレジャリー システムのおかげで助かりました。私たちは当時、ウェブベースのトレジャリー マネジメント システムをいち早く導入した企業のひとつでした。このシステムなら、インターネットブラウザさえあれば、アクセスできました。オフィスも自宅も停電し、電話線は使えませんでしたが、私たちは遠く離れた地域に、電力もネットも使える場所を見つけることができました。簡単な作業ではありませんが、ブラウザさえあれば、ソフトウェアへの接続は不要だったため、その日の資金繰り表を作成し、支払を実行できました。今ではクラウド型トレジャリー システムとWi-Fi接続が当たり前かもしれませんが、こうした過去の事例は、優れたトレジャリー システムの導入が事業継続計画に欠かせないことを証明するものです。

2008年金融危機

2008年9月15日(月)に、リーマン・ブラザーズ破綻により金融市場が停止すると、これがすぐさま企業に影響を及ぼし、どの会社も設定済の与信枠を利用できなくなりました。金融市場の崩壊が迫った前日にようやく報道が始まったため、残念ながら、これは想定外の事態でした。経済顧問がブッシュ大統領に、現在の状況や米国の経済を容易に麻痺させかねない重大な危険について、ブリーフィングを行っている間、財務担当者は、次の3点に注目しました。

• 当社の資金を誰が持っているか?
• 資金の場所に伴い、どんなカウンターパーティリスクがあるか?
• 資金繰り予測に基づくと、当社の流動性はどうか?

今回もやはり、優れたトレジャリーソリューションのおかげで自信を持って対応し、リスクを回避できました。オンデマンドで、資金繰り予測の動向をリアルタイムに把握できたため、当社の流動性の状況を数分以内にCFOに報告できました。トレジャリー システムを活用して、資金がある場所を正確かつタイムリーに評価し、予測モデルを運用して短期・長期的な自社の流動性の状況を予測し、試算書を作成して保有額からカウンターパーティリスクを評価できました。

財務部門のせいで会社が流動性リスクにさらされる事態を避けたかったため、この評価では、常に株主を念頭に置きました。1ペニーたりとも漏らさず、全ての金額に対し説明責任を負い、全てのリスクを評価することが欠かせませんでした。こうした作業をタイムリーに確実にこなしたため、CFOは取締役会に対し、当社の資金繰りは健全で、信用リスクから十分保護された流動性を確保しているため、今回の危機を生き延びられると報告できました。

危機の時代に学んだ教訓

過去の危機から、私たちは、CFOにタイムリーに確実な情報を提供するため、財務担当者には適切なツールが必要だと知っています。Excelのウィザードに頼っても、拡張性や信頼性はありません。CFOがレポートの詳細なドリルダウンや新たなシナリオ分析を指示するたびに、残念ながらこの事実が証明されます。今日の財務担当者の大きな強みは、ここ数年の財務テクノロジーの進歩です。

トレジャリー マネジメント システムは現在、データ可視化を通じたビジネスインテリジェンスの獲得、ルールに基づく統合的な自動化、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)、人工知能(AI)などを備え、これまで以上に高度な自動化を実現しています。CFOは、体系的に分析され要約されたデータを通じて、自信を持って情報に基づく判断をタイムリーに行う上で、必要なインサイトを入手できます。

COVID-19とそれがグローバル経済に与える影響は、まだ十分わかっていませんが、行動をためらっている時ではありません。このグローバルな健康危機を前に、特に、流動性を失いかねない高レバレッジな企業が、新たな金融危機を心配するのも当然です。私たちは過去の経験から、こうしたシナリオでは、極めて短期間に極端な決断が求められることを学びました。けれど、優れたツールと財務テクノロジーがあれば、自信を持ってスピーディな判断を下せ、財務担当者は再び、CFOの最も貴重な資産になるでしょう。

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執筆者
Dory Malouf
トレジャリー、ファイナンス、バリューエンジニアリングの専門家。キリバに入社する以前は、トレジャリーマネージャー、アシスタントトレジャラーなど、財務部門の様々な職を経験しました。現在は、トレジャリーおよびファイナンス部門および両部門の担当役員と連携して、彼らの戦略的イニシアチブに基づき価値を実現するための計画を、策定しています。

*本記事は2020年3月に掲載されたブログの翻訳版となります。オリジナルはこちらをご参照ください。

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